気が合う異性との出会い 今までの恋愛とは違う楽しさが見つかるかも
ありのままの自分で、ありのままの相手を認める関係もある。
「正直、私のタイプじゃないし、最初から恋愛対象じゃないと思い込んでいたけど、考えてみれば彼と過ごした時間は、私も心の底から楽しいと感じていた。言いたいことも言えて、しょっちゅう笑ってた。今までの恋人に対しては、私はそこまで気楽に自分をさらけ出せなかったし、恋愛感情が邪魔して言いたいことも勝手に自己規制してた。そう気づいたんです。でも一方で、これは友情にすぎない、これを恋愛と言っていいのかと悩む自分もいて……」
彼女は、そんな自分の気持ちを彼に正直に伝えた。
「僕を、男として見ることはできない?」
しばらく黙っていた彼が、突然そう言って、ケイコさんの手を握った。とりあえず、一緒に夜を過ごしてみた。セックスをする時間も楽しかった、とケイコさんは言う。
「そこから恋愛感情も出てきましたけど、友だちとしての関係が長かったので、今までの恋愛と違って戸惑いました。たとえ嫉妬したとしても、今までみたいに苦しくない。彼に直接、言えちゃうんですよね」
そして、彼女は悟ったのだという。
「それまでの私は結局、自分の理想の男性像を彼に勝手に投影して、彼がそこから外れた言動をとると、ひとりで怒ってひとりで疲れていた。でも今回は、彼の実像を恋愛感情抜きで見ていたし、そこで気が合う、ウマが合うと実感していたから、ヘンな恋愛感情に振り回されずにすんだ。恋愛に過剰な期待を抱いていたけど、ひとりの人間同士として気が合うか合わないかのほうが大事なんでしょうね」
好きな人とどうしてもうまくいかないと悩んでいる女性の場合、自分の中の恋愛感情に負けてしまい、歪みが生じているのかもしれない。理想を投影せずに相手を見て、取り繕っていない自分を見せることからはじめてみるのはどうだろうか。
だからといって、ケイコさんのように気が合う男友だちと恋愛すればいい、という単純な問題ではないだろうが、気が合う人を好きになれれば、今までの恋愛パターンとは違う楽しさが見つかるのかもしれない。
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