コスメを偏愛する「コスメオタク」が増えている。中でもTwitterの「コスメ垢」は、よりディープな情報発信の場として話題。この連載では、ライターひらりささんがいま気になるTwitterコスメ垢にインタビュー。彼女たちのおすすめアイテムや美容愛、さらには人生までをも覗き見ます。
ひらりさ
同人サークル「劇団雌猫」所属の美容オタクライターひらりささんが、いま気になるTwitterコスメ垢の実態を探る連載【コスメ垢の履歴書】。
今回は、ブラウンコスメをこよなく愛するぞのさん(@zonocosme)にインタビューしました。
総リップ数、100本以上の中から選んだ
イエべ秋、リップオタクの私が本当に愛してやまないベストリップ12本💄
説明要らないよね、色味だけで可愛さが伝わると信じている🙄#マイベストコスメ #ベスコス #リップ#イエべ秋 #2018ベストコスメ #ベストコスメ2018 pic.twitter.com/1uVtmRLY2b
「かわいくしていいんだ」と気づいた高校生時代
——ぞのさんはTwitterとブログでコスメレビューを発信されていますが、いつごろはじめたのでしょうか。
Twitterは2018年3月で、ブログは今年の2月からですね。
——けっこう最近だ。きっかけはなんだったんでしょうか。
Twitterで発信する前から、ものすごい量のコスメを買っていて。当時の彼氏が「そんなたくさん持ってるのに自分だけで楽しんでるのはもったいないよ」と言ってくれたんです。写真を撮るのが好きだったのもあり、Twitterでコスメのスウォッチ(※色味を比較した写真)を発信するようになり、さらにデザイナーの姉に相談してブログを構築しました。
それまではTwitter自体やってなかったので、はじめたばかりのころは「ふぁぼって何?」「リプって何?」とオロオロしてました(笑)。
4/15日発売のDior backstageのアイパレット 003 アンバー
久しぶりにここまで捨て色の無いパレットに出会った
しかもお値段5,500円
1色単価で考えると破格のお値段👼
美しすぎて触りたくなかったけど
意を決したスウォッチをどうぞご覧下さい pic.twitter.com/jQcAWMcFeD
——それでもうフォロワーが2万7,000人に! では、コスメが好きになった経緯を教えてください。
ちゃんとメイクをはじめたのは高校生のときなんですが、子どものころから、強い思い入れを持っていました。小学校のとき、先生のことが好きだったんですけど、ある日お母さんのリップとファンデーションを塗って学校に行ってみたら、その先生にめちゃくちゃ怒られちゃったんです。まわりからも「マセガキ」とか言われて、お母さんも呼び出されて……。
そこからは「女の子らしくしようとするのはよくないんだ」と思って、長かった髪をベリーショートにして、女の子っぽい遊びからは離れ、ずっと男の子と木登りばかりしてました。
その意識が中学校でも続いていたのですが、入った高校が約9割女子の学校だったんですね。そこで「なんで化粧しないの?」「ぞの、二重にしたら絶対かわいくなるよ」って声をかけてくれた子がいて……。dodoとかパルガントンのアイシャドウで二重のように見せるコツを教えてもらって、めちゃくちゃハマっていきました。
そのときから「かわいくしていいんだ」「女らしくしていいんだ」とすごくラクになったんです。結局クラスの中で自分が一番メイクにハマって、アイテムやメイクテクを教えるためのブログまで作ったくらい(笑)。
——なんと過去に「コスメ垢」的な活動をされていたんですね!
すごいハマりぶりでしたからね。「ぞのは化粧の人」ってまわりからも言われるようになって。成人式に行って小中学校の同級生に会ったときには、本当にびっくりされました。
昔はベリーショートで男の子とばかり遊んでたから、女の子には「男子とばっかり仲よくしてる」って陰口言われて、一部の男の子からも「ブスだ」って言われていたんです。だから、彼らが私を見て目の色を変えた姿に対して、「ざまあみろ」という気分になりました。
幼いころにおさえていた欲求って、大人になって自分自身の考えで行動できるようになると、そのおさえていたものが爆発するらしいんですよ。私がここまでコスメを収集する理由は単に「好き」だけではなく、昔おさえていた欲求を満たしたいから、というのもきっとあると思います。