毎週金曜のランチタイム、池袋に長蛇の列ができるウナギ屋さんがあります。お客さんの目的は、もちろん「うな重」!ではなく、なんと150食限定の「カレーライス」というから驚きです。早くて安くて美味しい、三拍子そろったカレーライスは、さくっと済ませたいときの一人ランチにもぴったり。長く愛され続ける、その理由を取材してきました!
食べられるのは金曜ランチのみ!うなぎ屋名物、150食限定カレー/うな達
噂の「カレーライス」を食べられるのは、池袋駅東口から徒歩5分ほどのところにある「うな達」。1974(昭和49)年創業の、大衆的なウナギ料理店です。
なぜ、ウナギ店でカレーなのかといえば、「先代の大好物だったから」と店主さん。もともとは“まかない”として食べていたカレーライスを30年ほど前から提供し始めたところ、たちまち大人気に。以来、池袋に集う人たちの胃袋をつかみ続けています。
そんな名物カレーを食べられるのは、金曜のランチタイムのみ。150食限定ということもあり、なくなる前になんとか食べたい!と、金曜はカレー目当てのお客さんが殺到します。
見てください、この行列!11:30のオープン前から、こんなにもたくさんの人が開店を待ちわびています。取材した日は10:30の時点で、すでに2人の方が並んでいました。
開店と同時に満席となり、13:00前には150食が完売してしまう盛況ぶり。なぜここまで人気なのか、実際にカレーをいただきながら、検証してみましょう♪
【人気の理由その1】ワンコインでお釣りがくる「安さ」
うな達のカレーライスが支持される理由の一つが、なんといってもその「安さ」。並(430円、写真前列左)、中(470円、写真前列右)、大(500円、写真後列右)、特大(580円、写真後列左)という料金設定は、20年以上変わらないのだとか。
特大のお皿の大きさにはビックリ!隣のティッシュ箱と比べてみても、そのサイズは一目瞭然です(特大のオーダーは10人目でストップ)。
逆に、並(写真)は量が少ないのでは?と思いきや、ご飯茶碗2杯分くらいはあって、女子的には十分満足のいくボリューム感。お腹が満たされたうえ、ワンコインでお釣りがくるなんて、うれしすぎますよね!
【人気の理由その2】まろやかさとスパイシーさが合わさった絶妙な「味わい」
ウナギ店のカレーだから、もしやウナギが入っているのでは?と想像していましたが、出てきたカレーは至って普通で、家で食べるカレーという見た目。
具は、ニンジンとタマネギとジャガイモ、そして豚肉のみという、究極のシンプルさです。味に変わった特徴があるのでしょうか?
さっそく一口いただいてみると、まずはほっとする甘さが口いっぱいに広がります。うん、美味しい!とはいえ、特別な味わいは感じられないような・・・と思いつつ食べ進めていくと、スパイシーさが舌を心地よく刺激し始めました。口に入れるときのまろやかさと、その後のスパイシーさが絶妙に絡み合い、気づいたらスプーンを運ぶ手が止まらない!!
ジャガイモやニンジンはやわらかくも食感はしっかりと残っていて、これまたちょうどいい塩梅。タマネギの甘みとポークの旨みも、ルーにしっかりと溶け込んでいます。
辛いのが苦手という人は生玉子(50円)をトッピングすると、まろやかにいただけます。みそ汁(50円)もプラスすれば定食風に♪
カレーがまろやかになりすぎてしまうのが嫌・・・という人は、半熟玉子(80円)を加えてみて。ビジュアル的にも、美味しさが増しますよ!
家庭的な味わいでありながら、スパイスの持つ底力が存分に引き出されたカレーライスは、さすがプロの味。いったい、どのように作られているのかが気になります。ということで、今回は特別に厨房へお邪魔し、仕込みの様子も見学させてもらいました。
【人気の理由その3】手間暇かかった丁寧な「仕込み」
カレーの仕込みを始めるのは、提供前々日の水曜日から。豚の大腿骨であるゲンコツを5〜6時間煮込み、ベースとなる出汁をとります。
このゲンコツ出汁をベースとして、前日の木曜にスープを仕込みます。うな達のカレーは、「甘いスープ」「しょっぱいスープ」「スパイシーなスープ」の計3種類を混ぜ合わせて作るそう。