「食べ放題」のことを英語でビュッフェやバイキングといってもまったく通じないこと、ご存じですか?英語で正しく伝えるには、どのような表現が最適なのでしょうか。しかも、「飲み放題」もフリードリンクではないらしいんです……。
ちあき
食べ放題の英語は「バイキング」じゃない?
日本ではバイキングといえば、食べ放題のお店をイメージさせる言葉として定着しています。しかし海外で食べ放題を頼みたいときに、「バイキング」と伝えてもまったく意味が通じません。
外国の方にバイキングレストランなどと言っても、食べ放題という意味が通じず、いつまでもテーブルで待ちぼうけを食ってしまうことになります。
「食べ放題」を英語で言うと……
食べ放題という意味を表す英語表記は「All you can eat 」(オールユーキャンイート)になります。ここは食べ放題のレストランですよ、ということを教えるのであれば、「All you can eat restaurant」(オールユーキャンイートレストラン)になるでしょう。
日本で当たり前のように使われているバイキングやビュッフェという表現は、正しい意味ではありませんので間違えないようにしましょう。
ビュッフェは食べ放題?
近年では頻繁に使われるようになった「ビュフェ」という言葉。この言葉はたしかに食べ放題を表す意味も持っていますが、前述でご紹介した「All you can eat 」とはニュアンスが異なります。
「buffet」(ビュッフェ)とは
「buffet」というのは日本語でこそビュッフェと呼んでいますが、実際に英語で話をする際には"ヴァファイ"または"ブァフェイ"という発音になります。また、「buffet」の意味は自分でお皿を持ち、料理を取りに行くというスタイルを表すのです。
さらに「buffet」の場合、基本的に立食をするというスタイルを表現しているので、「All you can eat 」とは意味が異なります。
buffetを使った「食べ放題」の言い方
「buffet」を使って食べ放題を表すのであれば、場面に応じて使う必要があります。上記の通り「buffet」というのは立食を意味していますので、テーブルに着席し、食事をするような場面では使いません。
「buffet」という表現を使う場合、パーティーなどで「buffet party」と言えば、きちんと意味が通じます。
立食でなおかつ食べ放題の場合には「All you can eat buffet」(オールユーキャンイートヴァファイ)と表現することもあるでしょう。食べたいものを席で注文し、好きなだけ食べられる食べ放題とは意味が違いますので覚えておきましょう。
海外でバイキングを頼んだら危険!
「今夜は◯◯のレストランでバイキングを食べよう!」という会話は、日本の家庭では一般的に使われています。しかし、海外でバイキングと注文してしまうと危険なケースがあります。
それもそのはず、バイキングというのはもともと西ヨーロッパで「海賊」のことを表しているからです。
「Viking」(バイキング)とは
上記の通り、海外では海賊のことを意味しています。そのため海外のレストランでバイキングと表現しても意味が通じず、お店のスタッフさんは不思議そうな顔を浮かべることになるでしょう。
バイキングと言う言葉はさまざまな海賊映画などに用いられていますが、別の意味として日本では当たり前のように使われているいます。英語ではまったく違う意味になってしまうため、下手をすれば自分自身が海賊だという意味に伝わってしまう、ということも懸念しなければなりません。
なんで食べ放題をバイキングっていうの?
もともと食べ放題のことをバイキングと言うようになったのは、スウェーデンのビュッフェ形式がモデルになっているからだそうです。昭和32年当時、旧帝国ホテルで支配人をされていた方がスウェーデン発祥のビュッフェ形式を知り、これを日本に取り入れようとしました。
その当時、ビュッフェ形式を表現する言葉は、「スモーガスボード」というもの。日本に取り入れる際に「スモーガスボード」というネーミングのままだと親しみにくい、覚えにくいといった理由があり、当時の支配人が同じ時期に世間で流行していた映画から、「バイキング」というネーミングを借用したのだそうです。
この映画では、食事シーンが非常に豪快なイメージを与え、とても印象的だったから。このイメージをもとに、豪快に食べられる食べ放題のレストランのことを「バイキングレストラン」と名づけたのです。