美肌になるための絶対条件である「保湿」。実際、保湿ってどんなケア?なにが必要?水分と油分のバランスが大切ですが、どうしたらいいの?そんな肌に関する美肌のすべてを徹底解説します。
肌表面の働きとは?
肌は、肌表面から順に「表皮→真皮→皮下組織」で成り立ちます。化粧品成分が浸透するのは、表皮の一番上部にある厚さ約0.02㎜の「角層」まで。角層の上には、弱酸性ベールの「皮脂膜」という膜が張っています。
私たちの身体は、生命維持に必要な水分を失わないように「脂」で守られているのが特徴!とくに、一番外側にある「皮脂膜」は、水分の蒸発を防ぎ、外部からのウイルスを防ぐバリアとなって働いています。
私たちの肌は、油分8割、水分2割で構成されているので、肌に補う化粧品も油と水でできています。
皮脂膜の重要性とは?
皮脂膜は、汗と皮脂が混ざってできた弱酸性ベール。このうるおいの膜は、簡単に流されてしまいます。例えば、水で手を洗ったり、洗顔したり、入浴後など。
肌は、水分を蒸発しないように脂で覆われているのが基本です。皮脂膜という脂の膜がなくなってしまった肌は、みるみるうちに水分が逃げてしまい、乾燥状態に陥るのです。この状態が繰り返し行われると、今以上に乾燥肌に近づくため気をつけなければいけません。
しかし、人間には恒常性維持機能が備わっています。環境が変化した場合に維持しようとする機能です。そのため、健康な肌であれば、約30分程度で皮脂膜が元の状態に戻るといわれています。
どうしても肌全体の健康を考えがちですが、美肌条件のひとつは皮脂膜にあるのです。
肌の水分足りている?
肌は、油分8割と水分2割で構成されていますが、水分10%に満たない肌はあるサインが現れます。かゆみが出てきたり、粉をふいたりなど皮膚は自分を守ろうとサインを残します。
みなさんは、肌の水分が足りないと分かれば何をしますか?化粧品の浸透は、ラップ一枚分の角層のみ。化粧水を入れようと頑張っても、皮膚は一定量の水分量しか吸収できません。肌の水分を補うためには、毎日こまめに水分補給をすることが大切。一日1.5Lの水分を摂るように心がけましょう。
肌の油分足りている?
では、水分は足りているのになぜ乾燥するのでしょうか。肌の8割は、油分!答えのひとつとして「皮脂膜」が関係しています。
メイクや汚れに合わせた洗浄力を選ぶことは大切です。毎日、肌状態を見ながら洗浄剤を選ぶ必要があります。しかし、洗浄力の強いもので洗浄すると、肌の皮脂を奪うことにつながるのです。
さらに、食べ物での油抜きも関係します。肌内部の脂質が少なくなることも考えられます。肌は、この水分と油分(皮脂膜の脂)のバランスによって保たれているのです。肌の油分は、外部刺激や食の油により変化します。極端なダイエットは、美肌から遠ざかるのです。
「保湿」ってどうしたらいいの?
肌は、水分と油分のバランスが良好な場合、肌トラブルを起こしにくく、バリア力も強化されます。ニキビや毛穴などで悩む回数も減ります。
さらに、肌の透明感やくすみ、乾燥性小じわなどは角層を潤わせることで満足度が高くなるのです。保湿は、肌内部にある成分と似た成分を入れてあげることが重要です。
水分を蓄える性質を持つ成分例
グリセリン/ジグリセリン/ヒアルロン酸/加水分解ヒアルロン酸/コラーゲン/はちみつ/オイル/酒粕など
皮膚細胞の健康を維持する成分例
ヒト型セラミド(セラミド2・セラミド3・セラミド6は水分保持に優れる)/コメヌカエキス/コメ発酵液/乳酸菌培養エキスなど
保湿は、水分を逃がさないような成分に注目して選びましょう。また、肌表面の酸化を防ぐために、ビタミンCやアスタキサンチンなどの抗酸化成分などを取り入れてみてもよいでしょう。
角層を健やかにするためには?
食習慣や肌習慣が大切であるとお伝えしましたが、肌の水分や脂が失われないようなケア作りは必要です。水分補給や化粧品でのサポート、適度な脂質(油)の摂取、洗浄に気をつけるなど。
これらの方法をクリアにしても角層にうるおいがない、肌トラブルが改善しないなど悩む方は少なからずいることでしょう。このような場合、「運動」にポイントをあててみてください。
運動はすべての生命維持に深く関係するもの。運動不足は、皮脂や汗の分泌量が減ります。つまり、脂が減ってしまい、水分が抜けやすい状態に陥ってしまうのです。
肌細胞に栄養を与えるのは「血液」です。血液循環をよくすることで、体内の隅々まで栄養を運ぶことができます。良質な汗もかくことができるため、必然的に皮脂まで分泌してくれます。運動が難しければ、ストレッチやマッサージで対処してみてくださいね。