パートナーとのお付き合いをしていく中で、「このまま今の関係を続けていいのかな」と考えてしまうことってありませんか?そんな時の気持ちの状態と、感情や思考との向き合い方について心理学の視点からお伝えします。
南 舞
「彼とこのまま付き合ってていいのか」と思う時の心の状態とは?
「彼とこのまま付き合っていていいのかな。」そう感じる時は、将来のことについて考えていたり、周囲のカップルたちと比べていることが多いのではないでしょうか。
例えば、「何年か付き合ってきたけど、彼に結婚願望あるのかな」「○○さんのパートナーは△△してくれるのにパートナーはしてくれない」など。
私たちの傾向として、先が見えない将来のことや目に見て比べやすい周囲の人たちの存在によって、不安・怒りなどのネガティブ感情が引き起こされやすくなるのかもしれません。
そんなネガティブモードに陥ってしまったら、どうしたらよいのでしょうか。
ネガティブな感情・思考との向き合い方とは?
恋愛は、ネガティブな感情や思考を引き起こしやすく、最悪の場合、別れるなどの決断を引き起こしやすくなりがち。ネガティブ感情に支配されそうになった時に必要なことは、自分の感情や思考とうまく付き合っていくこと。そのために知っておくと良いことがいくつかあります。
恋愛以外のことを充実させる
恋愛は相手あってのことなので、そう簡単に現状の関係が変わるのは難しいですよね。そんな時こそ、恋愛以外のことを充実させましょう。パートナーと会う頻度が多かった人は、少し減らしてみたり、あるいはパートナーに会うために充てていた時間を趣味や習い事ができる時間を取り入れてみても良いでしょう。趣味や習い事などで『第3のコミュニティ』を作り、自分のための時間を増やすのです。
一見、パートナーとの関係について悩んでいると思っていたことでも、無意識の中で、「もっと自分の存在価値を認めてほしい」という承認欲求が働いていることもあります。そういった承認欲求を満たしてあげるためにも、パートナー以外で自分を認めてくれる場所を作ると良いでしょう。
「今」に意識を向ける
悩む背景には、「この先、自分がどうなっていくの?」という不安な感情があります。過去の出来事や予想できない未来について考えると、思考も「~でなくてはいけない」「~すべき」という【0か100か思考】になりがちに。そんな時はぜひ「今」に意識を向けてみてください。
私たちはどうしても、できていないことや欠点に目が行きがちですが、できていることやうまくやれていることもあるはずです。「今」に意識を向けることは心理学的に「マインドフルネス」と呼ばれ、不安などのネガティブな感情や思考を低減させることに役立つと言われます。
先のことを考えたり、周囲の人たちと比べると、自分にはまだ足りないような感覚に陥ることもあるかもしれません。しかし、実際はどうでしょうか?恋愛の形は人それぞれ。『今』に目を向けられていたら、そんな感覚も薄まっているかもしれません。
恋愛は人生において、重要度が高いもの。もちろん状況によっては恋愛に対する考え方を変えたり、終わらせなければいけないことも選択の一つになりえるでしょう。でもその前に、自分の感情や思考を整理するだけでも相手との向き合い方に対して新たな見方が生まれるかもしれません。ぜひ今の自分たちの関係に意識を向けてみてください。そして、2人が納得できる恋愛の形が見つかることを願っています。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。