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2階レベルに平屋をつくる居心地の良さを生む多方向への抜けの良さ

インテリア

73坪とゆったりとした敷地が購入できたため、伊藤さんは平屋の家をリクエスト。以前の後輩に設計を依頼してできた上がったのは、平屋が壁柱で2階レベルに持ち上げられた家だった。

この周辺は一区画がゆったりと大きく、いわゆる住宅密集地とは違う雰囲気があったので気に入って購入したという伊藤邸の敷地は73坪。前面道路が広いのもポイントだったそうだ。

広めの敷地が購入できたので平屋にしたいと思ったという伊藤さん。「今までずっとマンション暮らしだったこともあって、家族がいるかいないかがわかる空間で生活をしたいという気持ちがありました。たまたま広い土地を買うことができたので平屋にしたいという要望を出しました」

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道路側から見る。玄関部分以外はすべて壁柱によって2階に持ち上げられている。

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道路側より見る。敷地の東西の2辺には隣家の擁壁が迫る。

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敷地奥から見る。右端に道路が見える。

ゼネコンに勤務する伊藤さんが設計を依頼したのはかつて会社の後輩だった齋藤隆太郎さん。「この実現した案は3つめのもので、2つめのものから高床式のような感じになって、丸柱だったのが最後にこのような壁柱になりました」と伊藤さんは説明する。
壁柱というのは、2階レベルへと持ち上げた平屋を支えている1階部分の構造体のこと。丸柱だと前面道路から奥まで丸見えに近い状態になるため、防犯上の懸念から変更してもらったものという。

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手前のリビングからは光庭を介して向かいのダイニングが見える。リビングには南側の開口からもふんだんに光が入る。

伊藤邸は高床式ともいえるつくりのほかに、視線が多方向によく抜けるのも大きな特徴だ。これは伊藤さんからの家族の在・不在を確認できる「視線の抜け」についてのリクエストと、齋藤さんの「端から端まで抜けているような開放感へのこだわり」(伊藤さん)とがあいまって実現したもののようだ。
中央の光庭を介して、リビングとダイニングとの間だけでなく、1・2階の間でも視線が抜けるが、この光庭を設けたのは齋藤さんからの提案だった。

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キッチンはリクエストでアイランド型に。洗い物をしながら空と緑が見える。

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リビングから見る。光庭が周囲の空間に十分な光をもたらす。左側にキッチンがある。

伊藤さんはこの光庭を家の中心近くに配したつくりでは「誰がどこにいて何をやっているかがとてもわかりやすくて、リビングにいれば子どもが帰宅したときに階段のところで“ただいま” “お帰り”と声をかけ合って、それから自分たちの部屋のほうに移動してもずっとシースルーで見えますし、あるいはわたしがこちらでテレビを見ていても、むこうで家内と子どもが談笑しながらテレビを見ているとかというのも見ることがきるのでとても満足しています」と話す。
さらに光庭の利点を続ける。「台所が北側にありますが、光庭からしっかり光が入るので明るいんですね。あとわたしが下でゴルフの練習しているときなどに飲み物がほしくなったらそこから声を出してドリンクを窓から落としてもらったり、あるいは玄関が回り込んだかたちになっていますが、上から見ると玄関前も丸見えですから防犯上もなかなか具合がいいなと」

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収納家具は造り付け。天井も木を使っているため全体的に柔らかな雰囲気にまとめられている。左奥は伊藤さんの書斎コーナー。

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切妻、片流れと異なる屋根の形の集合で伊藤邸はつくられている。

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リビングから光庭を正対して見る。

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ダイニング側から見る。

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ダイニングの背後には兄妹の部屋が並ぶ。

壁柱で居住部分を2階に持ち上げたことでできた1階スペース。壁柱をうまく配置することで移動するごとに景色の変化が楽しめるのも魅力だ。
伊藤さんはこの1階スペースが予想外に気持ちが良くて気に入っているという。「夏場でも風があちこちから吹いてくるので部屋の中にいるよりも涼しいんですね。だからわたしは下で本を読んだり、昼寝するのも気持ちが良くてとても気に入っています」

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2階の浴室。正面の窓からは道路が見える。

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