フレックスタイム制のデメリット
どの職種でも可能なわけではない
クライアントに合わせなくてはならない仕事や、シフト制で時間があらかじめ決まっているなど、どの職種にも適応できる制度ではありません。
職種の特性によっては、使えないケースもあります。
自己管理能力が求められる
仕事の成果も時間も自分で管理する部分が大きくなります。
自己管理が苦手な人は、結果勤務がルーズになり、成果も出なくなる、という事態に陥るケースもあります。
企業によっては、それが理由でフレックスタイム制の導入を躊躇したり、導入したものの、うまく社員が制度を使えずに取りやめるケースもあります。
コミュニケーションの弊害
報連相したいときに相手が不在である、チームでのミーティング時間の調整がしづらいなど、社内コミュニケーションの弊害が出るといったこともあります。
フレックスタイム制の導入は働き方改革になる?
働き方改革は働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。
日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く人のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが必要です。
そのためにも働く人々の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することは急務です。(※厚生労働省HPより)
フレックスタイム制の導入は、働き方改革になるのでしょうか。
フレックスタイム制の導入率
厚生労働省の『平成30年就労条件総合調査 結果の概況※』によると、フレックスタイム制を導入している企業は全体の5.6%にとどまります。
ただし、1000人以上従業員のいる大企業に限ってみると13.1%となります。
また、情報通信業においては24.0%、電気・ガス・熱供給・水道業においては29.6%が導入しており、会社規模、業務形態によってバラつきがあるようです。
フレックスタイム制導入は働き方改革になる?
フレックスタイム制は、高度成長期の日本企業の「一枚岩でがんばる」精神とはかけ離れているものです。どれだけ会社のために自分の時間を犠牲にしたか、が評価される時代は終わりを告げようとしています。
さまざまな事情を抱えた人がフレキシブルな制度によってワークライフバランスを取りやすくなる、また、事情に合わせて働き方を変えることが可能なら、続けやすくなることは、企業にとっても働く側にとっても有益です。
「残業をなくそう」という考え方だけでは、「いかに効率よく仕事を終わらせるか」が課題となり、会社と自分の成長のために未来の仕事に着手しづらい状況も生まれています。