3階の寝室前から左に子ども部屋と奥に水回りスペースを見る。
3階の寝室。左の収納もオークの無垢材でつくられたもの。
水回りスペースからテラス側を見る。
シンメトリックにデザインされた子ども部屋。これも空間に落ち着きをもたらすための工夫。
1階のOさんの書斎には靴を収納する棚がある。「革靴は働く父の姿に対する憧憬の象徴であり、同時に自らが歩んだ人生の足跡といえるもの」と話すOさん。革靴の手入れもここで行うという。この1階スペースは隣の賃貸スペースとつなげることもできる。
昨年末に越したOさん一家。Oさんは2階奥に設けたテラスが気に入っているという。「毎朝コーヒーを淹れてテラスで飲んでいるんですが、晴れていればハンモックかけたり天幕をつけたりして」この空間を楽しんでいるという。「キッチンも素敵なものをつくっていただいたので自分でも料理をするようになって、そういうところでも生きる力が高まったなと思いますね」
「居心地がいい」という感想はよく聞くが、「家によって生きる力が高まる」と聞くのは初めて。住宅に対してこれ以上の賛辞はないのではないか、と思った。
戸外ながら緑と壁に囲まれて外からの視線も気にならない。息子さんがテラスで食事をしたいとよく言うので、朝もこの場所で一緒に食べてから会社に出かけることがあるという。右は目隠しのための壁。
通路に沿って植えられた緑には、この敷地の住人だけでなく近隣の人たちも「気持ちよく暮らせるように」との思いが込められている。
O邸/阿佐ヶ谷北の家
設計 ラブアーキテクチャー/浅利幸男
所在地 東京都杉並区
構造 木造
規模 地上3階
延床面積 139.03㎡(賃貸スペース除く)