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階段で繋がるアウトドアリビング自宅でキャンプが楽しめる自然と親しむ住まい

インテリア

丹沢山系から富士山まで一望できる絶好のロケーションに建つ黒沢邸。山林付き住宅地を購入し、自然の恵みを活かした家づくりを楽しんでいる。

神奈川県鎌倉市の眺めの良い高台で暮らす黒沢征佑喜(まさゆき)さん一家。以前住んでいた東京都三鷹市周辺から土地探しを始め、予算の都合と自然豊かなのびのびと暮らせる環境を求めて徐々に南下していった。探し始めて2年近くが経ち、ようやく出会ったのが、この山林付きの住宅地。
「この土地を見たとき、ここだ!と思いましたね。裏に山林があって、眺望も素晴らしくて。裏山っていろいろなことができそうじゃないですか。ツリーハウスを建てたり、ジップラインやスラックラインを設置したり。自宅でキャンプが楽しめるような、アウトドアライフを満喫できる家が夢だったんです」と目を輝かせる征佑喜さん。
庭の手入れや山林の造成を徐々に始め、裏山に何を設けるか、目下構想中である。

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自然環境豊かな高台に建つ。西側に開けた大きな窓が気持ちいい。

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裏の山林。「まずは、石段を造り、その上に小屋を建てたい」と征佑喜さん。

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2階部分に設置した回廊と帯状に張った杉板で個性的な外観に。斜面に建つため、高い土台が必要だった。

「屋上がなければ家を建てる意味がない、というくらい屋上は必須でした(笑)」と征佑喜さん。念願の屋上にはルーフテラスを設け、2階のLDKからそのまま階段でつなげたことで気軽に出られる空間となった。
リビングとほぼ同じ広さで約20畳のルーフテラスは、アウトドアリビングとして大活躍。ゲストを招いてバーベキューをしたり、テントを張ってキャンプをしたりと、まさに家にいながらにしてアウトドアライフを楽しんでいる。
丹沢山系から富士山までが一望でき、自然環境に恵まれたこの地では、季節や天気の移ろいにも敏感になるという。

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広々としたルーフテラス。テントを張ってキャンプ気分を味わったり、日差しの強い日はタープを張って寛いだり。周囲の住宅よりも一際高い位置にあるため、近所の視線も気にならない。

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右側の階段を昇ると屋上へ。視線が抜けて開放的なスケルトン階段は、1階まで光を届け、排熱効果にも一役。

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腰掛けるのにもちょうどよい和室。ゲストを泊めるために設けたが、現在は征佑喜さんの部屋!?

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プラモデルなどの塗装を行う道具が揃う。「窓もあり、換気にも好都合だった」と征佑喜さんのお気に入りの場所。

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自ら一部(左側)に床材を敷き、塗装をする趣味の部屋にしてしまった征佑喜さん。朔くん(6歳)の好きな「ゾイドシリーズ」も征佑喜さんが塗った。

土地探しから手伝ってもらったという「HAN環境・建築設計事務所」は、太陽や風、緑、土など自然の恵みを取り入れる“パッシブデザイン”に基づく設計を行っている。その考え方に、黒沢さん夫妻が興味を持たれたことがきっかけで設計を依頼した。
黒沢邸の特徴ともいえる2階のリビングをぐるりと囲むように設けた回廊は、パッシブデザインの工夫のひとつ。強い西日をやわらげ、すだれをかけることでさらに日差しを遮断することができる。また、1階から屋上に続く階段の吹き抜けにより、排熱効果も抜群。季節によって異なる日差しの角度を計算して窓を配置し、採光や通風も考え抜かれているため、エアコンに頼らず、四季を通して快適に過ごせる。
さらに、裏の山林の緑も生活にさりげなく取り入れている。2階のLDKにつながる階段脇に大きな窓を配すことで、階段を昇りながら、またキッチンやリビングからいつでも裏山の緑が目が入ってくる。
「この土地の特徴を最大限に活かしてもらいました」とご夫妻も満足気である。

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リビング側からDKを見る。天井はあらわしにし、化粧材を加えてデザイン性を高めた。

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裏の山林が見える階段脇の窓。建築家・伊東豊雄デザインの照明が、リビングから見たときにちょうど中央にくるよう考えられている。

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2階のLDKを囲むように設置した回廊。ぐるぐる回遊でき、子どもたちも楽しそう。

「生活感が出すぎないように隠す収納にしています」とは妻の香織さん。キッチンまわりは、食器や調理器具、冷蔵庫に至るまですべて扉内に収納。急な来客でも苦労せず片付けられるという。
また、アイランド型のキッチンとダイニングテーブルを横並びにしたのも香織さんの案。「テーブルに料理を並べるときなど、いちいち回り込まなくてよく、最短距離で動けて便利です」。
また、香織さんの希望でキッチンの奥に洗濯室を設けた。洗濯機を1階のバスルーム脇ではなく、2階の洗濯室に置くことで、物干しスペースやキッチンにも近く、効率的に家事ができる。「洗濯物を持って2階に上がるのも、衣類が乾いているため軽く、苦ではありません」とのこと。
香織さん自身が動きやすい家事動線を徹底的に考えた造りになっている。
また、空間の有効活用にもこだわった。斜面に建つ黒沢邸は土台を高くしたため、その空間を利用して床下収納を設置。壁の一部をくり抜き、本棚も3つ取り付けた。
「今年の正月から春にかけて、床下収納部分にフローリングを貼り、“隠れ部屋”を造りました。子どもたちとよく籠って、本を読んでいます」と征佑喜さん。
自分たちらしく心地よい生活を求めて、コツコツと手を加え、楽しんで暮らしている黒沢さんご一家。自然の恵みをたっぷり受けた健康的な笑顔であふれていた。

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アイランドキッチンとダイニングテーブルは横並びに配置。北欧ビンテージ家具屋で購入したダイニングチェアは形は異なるが座面の生地を統一した。

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キッチンまわりの物は扉内にすべて収納。「すぐに片付けられて便利」と香織さん。

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