おしゃれな人は、持っている服が少ないって本当? 長年ファッション誌でライターとして活躍してきたエルメスさんが「本当におしゃれな人」の特徴を解説します。
長年、ファッション誌に携わっていたせいか、友人、知人、お仕事関係の人などからファッションの悩み相談を受けることがよくあります。その多くが「おしゃれになりたい」「あか抜けたい」「そのためにはどうしたらいいのか?」という内容。
私が思うおしゃれな人は「しない勇気」を持っているように思います。
コーディネート術はもちろんですが、大事なのは哲学。そう、マインドです。
何かを取り入れるよりも、実は「しない!」と決めることのほうが勇気はいるんです。この勇気を持つことこそ、私はとびっきりおしゃれになれる秘訣だと思っています。
「おしゃれな人」に共通する5つの特徴
では、具体的に“何を”しないことがポイントなのか。今回は、私の思うファッション哲学と合わせて、おしゃれな人の共通点を紹介します。
(1)コーディネートに主人公をたくさん登場させない
おしゃれな人の服装って、その人がメインにしているアイテムが一発でわかりませんか? 映画だって主人公は大体1~2人。たくさんの主人公が出てきてしまったら、訳がわからない!
ファッションも一緒で、メインを張ってしまうようなものばかり組み合わせてしまうと、ものすごくトゥーマッチでバランスが悪いんです。
「今日はこれを『主役』にする!」と決めたらほかは控えめに。
おしゃれな人は、服にも映画のようなストーリーを持たせます。主人公(メイン)は思いっきり、脇役(サブ)は控えめに、これはおしゃれさんのとても大事な鉄則。
(2)自分の長所を無視しない
あなたの一番の魅力は? 一番似合う色は? どんなキャラクター? そう聞かれて、パッと答えられる人は少ないはず。
おしゃれな人は、自分の長所を存分に知っていて、それを引き立てるアイテムの選び方が本当に上手。例えば、脚に自信があるならスラッと見える個性的なパンツや、思いっきり脚を出せるスカートなどをさらりと合わせます。
年齢もTPOも気にしない! 長所は魅力だから。
怖がらず、自分の長所を存分に伸ばすアイテムを選び、個性を無視しない。そんな人のコーディネートは街中でも目を引きます。
(3)色(カラフル)を怖がらない
肌寒い秋冬になると、なぜか服がトーンダウンしてしまう。街中がブラックやグレーに包まれてしまい、なんだか鬱々としてしまいます。
この間、銀座を歩いていたら暗色の中でひときわ輝くオレンジのチェスターコートを着ている女性がいました。彼女のその潔さに、思わず「素敵!」と声を上げそうになったほど。
周りがベーシックカラーだからといって怖がらないで。自分のコーディネートに彩りを与えられる人は、センスの塊!
かくいう私も、ホワイト、ロイヤルブルー、スカイブルーなど極力カラフルなコートを着用しています。顔色も明るくなって気分も良いですよ!
(4)自分に限界を持たせない
おしゃれな人に共通しているな、と私が一番思うポイントなのですが、センスが常にアップデートされている人。
ずっと同じジャンルの服、似たようなアイテムを活用しないんです。
つまりマンネリ化しない、飽きさせない! ガーリーな格好をしていると思いきやモードな格好やアイテムを取り入れたり。ブラックコーデから、カラフルなコーデ。コンサバからストリートカジュアルまで。自分に限界やルールを持たせすぎない。
常に自分に似合うものを探し続け、ファッションセンスをアップデートし続けることは、いつだって「あの人おしゃれだよね!」って言われる絶対条件なのです。