今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
意識の底で黒光りするもの
今週のかに座は、「スマートであろうとする思想をどこかで捨てていくような星回り」。
『ドラえもん』における出木杉くんは、勉強ができてスポーツも得意な上、ルックスもいい。それにも関わらず登場回数が圧倒的に少ないのは、視聴者として見ていても、友達として一緒にいてもさして楽しくないからでしょう。
一見スマートに見えるモノが、実際にはスマートに機能するとは限らない(というよりも大体出来が悪い)ように、何でも自分ひとりで出来てしまうスタイルが、もはやまったくイケてないことに私たちはもういい加減気付いてきているはず。
今週のあなたもまた、出木杉くん的な思想から自分がどれだけ脱け出せているのか、いないのかが少なからず浮き彫りとなってくるでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
童心に返るとき
今週のしし座は、「どうしたって“人間味”が溢れてきてしまうような星回り」。
それはまるで、「どこか隙ある人のごとくや五月富士」(植松とし夫)という句のよう。この句は、梅雨時の富士に残っている雪と下界の新緑のコントラストから、どこか放心したような“緩み”を感じさせます。
日ごろは一寸の隙も見せずにもくもくと仕事に取り組んでいるような人が、うっかりソファーでまどろんでいる。その顔をふいに垣間見てしまったような、そんな印象を掲句の作者は抱いたのかも知れません。
今週のあなたもまた、まるで大人の殻を脱ぎすてて子どもに返ったかのように、無邪気さがピチピチとはねていくことでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
悲しくて悲しくて
今週のおとめ座は、「おのれの半生の苦闘を浄化していこうとするような星回り」。
スネをかじっているあいだは分からなかった親のありがたみも、自分がかじられる番になってやっと身に沁みて分かってくるものです。生きることにまつわる拭いがたいあさましさを噛みしめつつ、改めてそのありのままの姿を見つめ続けることができるかどうかが問われていくはず。
最近では、あるニュースをきっかけに「死ぬこと以外はかすり傷」という言葉が話題となりました。しかし実際の世の中には、自分一人ではどうしようもできず心が耐えきれないと感じてしまうことは無数にあります。
今週は、自分の中でため込んできたどうしようもなさへの“感じ”を、そっと誰か・何かと分かち合い、癒していくことも大切にしてくださいね。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
散歩とジーンズ
今週のてんびん座は、「気が重くなりがちな場所にも軽快に足を延ばしていくような星回り」。
文豪ディケンズは日々の日課として、また創作のヒントを得るため、あてどない散歩にいそしんだといわれています。
散歩やぶらつきというと、仕事の生産性に直接関係しない無為な時間と思われるかもしれませんが、手も足も自由な暇な時間や、意識の空白というのは、日常から一歩離れて生の全体を見渡すためには欠かせない必要条件といえるのではないでしょうか。
今週は歩くリズムや、踊るリズム、オールのリズムなど、自分に合ったリズムを身体に刻んでみることで、自分なりのスイッチの入れ方を探ってみるのもいいでしょう。