今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
あの世とこの世の風通し
今週のてんびん座は、「重々しい時こそ軽やかになっていこうとするような星回り」。
「風生と死の話して涼しさよ」(高浜虚子)という句は作者が83歳の時に詠まれたもので、当時72歳で信頼の厚かった弟子の富安風生(とみやすふうせい)と死の話をしていたのだといいます。
ただし死の話と言っても、ここには深刻さはあまり感じられません。「風生」の「生」から「死」に転じるのは明らかに字面上の遊びが含まれていますし、「死」という言葉の響きのつめたさは、「涼しさ」という夏の季語へと回収され、ひとつの歌になっていきます。
今のあなたもまた、どうか遊び心を忘れずに、歌う小鳥のようなおめでたさを持ち込んでいってほしいところです。心許なさをごまかさず、自らの内なる対話に意識を向け、そこにスーッと吹いてくる風の手触りを感じてみることを心掛けてみてください。
今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
苦しみと革命の調和
今週のさそり座は、「“柱”を立てていくような星回り」。
一見バラバラに見える自分の人生のあれこれに、一貫した意味を与えるひとつの見立てを立てていくことが、テーマになっているといえるでしょう。
今あなたは、どこか収まりの悪い不安定さと未来への期待感のはざまでムズムズしているかもしれませんね。それはまさに、空に飛び立つ姿を地中で夢想している蝉の幼虫のようでもあります。
きっと「ここより高い場所」はあり、そこへは自らの翼で羽ばたくのです。今週中に行けるところまで行きましょう。
今はそのための覚悟を決めるにはもってこいのタイミングです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
予感と変容
今週のいて座は、「どこか不気味さを感じるものへと接近していくような星回り」。
「夏の河赤き鉄鎖のはし浸る」(山口誓子)という句は、昭和12年(1937)に詠まれたもの。
「赤き鉄鎖」の赤が左翼思想に、鎖が団結を促す表現と受け取られ、特別高等警察から直接取り調べこそされなかったものの、注意を促されたのだといいます。
おそらく、作者は反体制思想を具体的に打ち出そうとしたというより、日本社会全体が向かいつつあった戦争という狂気を敏感に感じとり、それを「赤い鉄鎖」自身にそのまま語らせようとしたのでしょう。
今のあなたもまた、周囲の人が見ないようにしている真実に自分なりに目を向け、明らかにしていくことがテーマとなっているのだと言えます。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
レイヤーを重ねていく
今週のやぎ座は、「生きる力を取り戻すよすがとして誰かを相対していくような星回り」。
誰か何かを特別に美化してしまう代わりに、できるだけありのままに見つめていけるかどうかが試されていくように思います。
人間同士の関係というのはどんなに小さな差であろうと、どちらが上か下か、惚れた側か惚れられた側かの不均衡が必ず生じ、それがまた相手に惹きつけられる引力となっていくものです。
今のあなたには、勝ち負けやしがらみを超えて自分の全力をぶつけていきたいと思えるような相手はいるでしょうか?
もし心当たりがあるのなら、どれだけ複数のレイヤーや視点でその相手と対しているか、改めて見直してみるといいかも知れません。