今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ありのままの世界図の回復
今週のかに座は、「眼だけの存在になって、どこまでも冷徹に目の前の景を見定めていくような星回り」。
「かりかりと蟷螂蜂のかほを食む」(山口誓子)という句は、蟷螂(カマキリ)が蜂(ハチ)を食する光景を、いかなる装飾も加えず、何の感情もはさまずに描いています。俳句表現が極限まで研ぎ澄まされるとき、そこには作者の眼だけが存在しているのでしょう。
目の前の対象の本質を過不足なく言葉にしてみせる、その残酷なまでのまなざしの冷徹さは、そのまま自然の冷徹さを鏡のように映しだし、それゆえに深い余韻をもたらします。
あなたもまた、既に身の周りに置きつつ変化に対してどれだけありのままにそれを認識し、受け入れていけるかが問われていくはずです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
過激なる弱者
今週のしし座は、「みずから新しいネットワークを生み出していくための母胎となっていく星回り」。
現代において自由とは、選べる選択肢の豊富さや利便性の追求によって、つまり世俗との結びつきの強化によって担保されるものですが、中世における自由とはむしろ世俗との関わりや悪縁の弱体化によって実現されるものでした。
そうして過去の因縁からの断ち切りを見事果たし、無縁であることを表明できた人々は、新たな商売や市場や儀礼や芸能の活力を生んでいったのです。
今週のあなたもまた、隠れたところで変化の起点をつくってそれらを結びつけていくことで、現実に大きなうねりを作るための仕込みをすることがテーマとなっていきそうです。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ぬるっとおぼろげに
今週のおとめ座は、「これまでの常識を自分なりに崩していこうとするような星回り」。
私たちは時として「身を固める」ことで、完璧で強固な自己同一性を獲得していこうとし、難にも潰れることなく、周囲や社会の期待に応えていくことができるのだと信じて疑わないところがあります。しかし、今週はそうした信仰はいったん脇に置いてください。
こうしたタイミングでは、ともすると「身を固める」ことを求められてガチガチになりがちで、生暖かい空気や息吹、ゆらめきのような流動体として感じられやすくなっていくでしょう。
自然とあなたも、変化のない安定した状況や人間関係に居心地の悪さを感じたり、ここではないどこかへ吹き去っていく風のように、これまでの繰り返しのような予定調和をかき乱していきたくなるはず。その意味で、今週は「我慢」を禁句に、どこまでも素直になって心をのばしていくといいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生活にエモを
今週のてんびん座は、「現実から失われた夢の感覚を取り戻していこうとするような星回り」。
現代における悲劇とは、何事においてもいまいち「本気になれない」ということの中にあるのではないかと思いますが、それはここ最近のあなたの姿でもあるかもしれません。
感情的な「エモさ」であれ、より身体的な生命力のようなものであれ、それらが根本的なところで満たされることがないために、思いっきり何かにチャレンジするとか、あるいは非現実的な理想や夢を追いかけるというモードへ、なかなか移っていけないことも。
自分を本気にするためには、身体や心から持てる力をしぼり出して、それまで止まっていた心臓に主導権を移し、少しでも高鳴らせていくこと。最終的に今週のあなたに贈る言葉は、その一点に尽きるでしょう。