「他人に期待しないと生きやすい」とよく言われるけど、それって本当なのでしょうか? 冷たい人間なのでは……と思うことも。そこで今回は、心理カウンセラーの秋カヲリさんに、他人に期待しないことのメリット・デメリットについて、詳しく聞いてみました。
他人に期待しない人は、ひょうひょうと生きているように見えますが、実際はどうなのでしょうか? その方が生きやすいなら、期待しないでいたいものです。
そこで、今回は他人に期待しないことのメリット・デメリットや、他人に期待せず自分も相手も心地よく過ごすコツなどを解説します。
他人に期待しないのは冷たい生き方?
「他人に期待しない」と聞くと冷たい印象を受ける人もいますが、実際は他人に優しい考え方でもあります。
もしあなたが上司や親から期待され、高い理想を押し付けられたらプレッシャーを感じませんか? ほどほどの期待は自己肯定感を高めてやる気を生みますが、一方的な期待や大き過ぎる期待は心の負担になります。
また、他人に期待しないことは、相手をありのまま受け入れることでもあります。よって、一概に冷たい生き方とはいえません。
他人に期待しないことのメリット・デメリット
「他人に期待しないことは、ネガティブなことではない」と説明しましたが、やはりメリットもあればデメリットもあります。それぞれご紹介します。
メリット
(1)イライラが減る
他人に期待しないと、相手の行動や考えに不満を持たなくなるのでイライラが減ります。
例えば、赤ちゃんが食べ物をこぼしたり部屋をちらかしたりしても、あまりイライラしませんよね。それは、赤ちゃんに期待していないからです。
つまり、「できなくて当たり前」という考えがあるので、そもそもイライラが生まれないのです。
(2)人から好かれやすい
他人に期待しない人は多くを求めないので、周りの人にとってみれば居心地がよく万人から好かれやすいです。
本音や弱音を言いやすいので「〇〇と一緒にいるとラクなんだよね」と頼られることも多く、交友関係が広がります。
また、必要以上に相手に期待をかけないため、深入りもせずトラブルやけんかが起こりにくいでしょう。
(3)優しく親切になれる
プレゼントをあげたらお返しを期待してしまうように、人は見返りを求めてしまう生き物。
でも、他人に期待しない人はこうした見返りも求めません。というよりも、元々見返りは無いものだと思っている場合も多いです。
だから心に余裕があり、相手の対応の良し悪しに関わらず、優しくしたり親切にしたりできます。
デメリット
(1)深い関係を築きにくい
他人に期待しない人は万人から好かれやすいのですが、交友関係が広く浅くなりがちで深い関係を築きにくいです。
よって、恋人からも「何か物足りない」「自分には興味なさそう」と感じさせやすいでしょう。
(2)共感性が乏しい
他人に期待しない人は、感情のコントロールがうまく理性的な分、共感性は乏しくなりがちです。
他人が感情的になると「何でそこまで怒っているんだろう?」「何がそこまで悲しいんだろう?」と腑に落ちず、無神経な発言をしてしまって思わぬすれ違いやトラブルを引き起こしてしまうことも。