昭和時代に親しまれた食器のデザインをそのままに、現代に復刻させた「アデリアレトロ」。ローンチから約1年で幅広い層からの支持を集めたブランドの、立ち上げ背景についてお話を伺いました。
ちょっとこのグラスを見てほしいんですが、なんだか懐かしさを感じませんか?
「あれ、昔おばあちゃんの家で見たような…」そう思う方がいるのではないでしょうか。
こちらは「アデリアレトロ」というブランドの商品。
「ADERIA(アデリア)」は1936年に誕生した食器ブランドで、昭和時代から多くの家庭で親しまれてきました。「アデリアレトロ」はそんなアデリアのグラスを現代版にリメイクしたもの。
懐かしさを感じるのは、この柄たちが実際に昔使われていたからなんです!
現代に復刻したアデリアのグラスたちは、時を越えて若い層からの支持を集め、Instagramのフォロワーは1万人超え、雑誌やテレビなどで取り上げられるほど注目されています。
レトロ食器ブランドとしての地位を確立した「アデリアレトロ」。しかし立ち上げまでの道のりはそう簡単なものではなかったそうです。
「企画を提案したところ『悪ふざけするな』『こんなダサい柄が売れるわけない』と上に言われてしまったんです」
当時のことについて、立ち上げメンバーはこう話します。
ではなぜ、アデリアレトロはブランドとしてローンチすることができ、ここまで成長したのでしょうか。
企画立案から今に至るまでの背景を、立ち上げのメンバーである杉本さん(デザイナー)、桐本さん(Instagramディレクター)、坪井さん(CS担当)、佐々木さん(マネージャー)にお伺いしました。
ーー昔の「ADERIA(アデリア)」商品を現代に復刻させようと考えたのはなぜだったのでしょうか。
桐本さん(以下、桐本):アデリアのオフィシャルInstagramを開設した際、「#アデリア」でどのような投稿がされているかエゴサーチしたんです。
そうしたら、 昭和のアデリア商品がたくさんアップされていて。いまだに好きな方がいるんだなと感じましたし、意外にも若い方々が投稿しているのに驚きました。
しかもその投稿自体がすごく愛を感じるもので。もしかしてレトロ商品を好きな方ってオタク気質で、売り出したらコレクション感覚で買ってくれるんじゃないかと思って企画を出しました。
ーー企画を提案したときの上からの反応はいかがでしたか。
桐本:それが全然理解されなくて!「悪ふざけするな」「こんなダサい柄が売れるわけないだろ」なんて言われてしまったんです。
でも私たちは売れるって確信があったので、繰り返し提案を重ねました。
坪井さん(以下、坪井):一部の熱狂的な層だけじゃなく、潜在的なファンがいるんだよってことを示すのが難しくて。
実際にInstagramにアップされている投稿をカウンター使って数えたり、いろんなお店を回って市場調査したりしました。
たくさんレポートを出したんですが、最後まで快諾は得られませんでした。
桐本:代わりに「通常の1/4ロットだったらいいよ」とは言われたんです。ロットを小さくすればするほどコストはかかる、なので物の割に一個あたりが高くなってしまうんですね。
「それでも売れるんだったらやっていいよ」っていう挑戦状みたいなものだと受け取りました(笑)
ーーそれで、結果は?
桐本:売れたんですよ!
ーーすごいですね!告知などはどのようにしたんですか?