年末年始に列島を襲うと予想される大寒波。先日も関越自動車道で起きた立ち往生のような事態の可能性も?
年末年始寒波の影響は、特に西日本で大きくなりそうです。国道9号や国道373号は過去にも大規模な立ち往生が起きたことがあり、近畿~中国地方で警戒が必要になると考えています。気象予報士・千種ゆり子が解説します。
■北陸だけでなく西日本でも警戒
先日の寒波レベルの大雪も 30日昼~31日昼で、北陸から西の山沿いで70㎝以上の降雪が予想されている所が続出しています。
先日関越道が立ち往生した際と同レベルの降雪を予想しているのですが、今回は大雪エリアがやや西にシフトしている形になります。北陸はもちろん、特に西日本で警戒が必要です。
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■立ち往生をもたらすJPCZと白頭山の関係
JPCZ…アイドルグループ・A.B.C-Zと空目しそうな名前ですが、れっきとした気象用語。「日本海寒帯気団収束帯(Japan sea Polar air mass Convergence Zone)」の略で、過去もたびたび西日本に大雪を降らせてきました。
これを生むのが「白頭山(ペクトゥサン)」という朝鮮半島にある標高2,744mの山です。上記画像でシベリアから吹いてくる風が白頭山を回り込むように流れているのがわかると思います。
その風が日本海で再び合流することで雪雲が発達。JPCZの向かう先は、平野部でも大雪になってしまいますが、今回はその矛先が山陰~北陸になる、というわけです。
ちなみに白頭山は、昨年末にイ・ビョンホンさん主演で韓国で公開された映画としても話題になったのですが、日本でも来年夏に「白頭山大噴火」として公開予定だそうです。
■太平洋側でも雪の恐れ
車内には防災用品の常備を 特に警戒されるのが、道路での車の立ち往生です。国交省は28日、各地で立ち往生が起きやすい区間を発表しました。
筆者が目を通したところ、国道1号、2号、8号、9号、27号、29号、42号、53号、54号、161号などの国道が列挙されていましたが、多くの区間が登場したのが「国道9号」でした。
国道9号は2010~11年の年末年始に1000台にも及ぶ立ち往生が起き、自衛隊に災害派遣が要請されたこともあります。今回も警戒が必要です。 警戒が必要な区間の詳細は国土交通省地方整備局の公式サイトから確認できます。
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■車移動の際には入念な対策を
どうしても車移動しなければならない場合、車内に「使い捨てカイロ/毛布/飲料水/食料」を備えておきましょう。さらに絶対あったほうがいいのが簡易トイレです。
長期間のスタックになった場合、トイレに行くのが億劫で飲み食いを避け、脱水症状になるケースもみられるためです。その他の対策はJAF公式サイトなどを参考にしてください。
過去には兵庫・豊岡市で電車が立ち往生し、乗客が車内で長時間閉じ込められたこともあり、電車移動も油断できません。太平洋側の愛媛、和歌山、三重、鹿児島でも雪の恐れがありますので、30日~1日は不要不急の外出を控えた方が賢明です。
(取材・文/気象予報士・千種ゆり子)