初夏が旬の桃。何となく皮をむいて食べていますが、おいしい食べ方は「皮ごと」らしいんですよ。今回は、皮ごと桃を食べる際のコツやおいしい食べ方、選び方など、桃についてまとめてみました。この夏は、とことん桃を味わい尽くしてみませんか?
ちあき
桃は皮ごと食べてみよう!
鮮やかなピンク色の桃をフルーツ売り場で見かけるようになると、初夏を感じますね。甘くてジューシー、幸せな気持ちにさせてくれる桃ですが、ふだん桃を食べる時、どのように召しあがっていますか?筆者もそうですが、普通は何も考えず、皮をむいて食べるのではないでしょうか。
ところがうまく皮が向けなかったり、一部分だけ残ってしまったり……と何かと面倒な桃の皮むき。実は、桃は皮ごと食べられることをご存じでしたか。
そこで、今回は”知る人ぞ知る”桃の食べ方をご紹介します。桃好きの方のみならず、「桃はおいしいけど、うまくむけないし、いたみやすいし…」と敬遠していた方も、ぜひ一緒に桃の魅力を再発見し、堪能しましょう。
桃の食べ方は「皮ごと」が正解!?
桃の一番おいしいところは、どこでしょうか?
実の上の方?種の近くの中心部?……実は、皮と実の間なのだそうです。そういえば、魚にしても肉にしても、皮と身の間とか、身と骨の間って、うまみが凝縮して、すごくジューシーですよね。
こう聞くと、「これまで桃の一番おいしいところを捨てていた!」と愕然とする方も多いのではないでしょうか。
桃の皮にはカテキンなどの栄養が含まれており、おいしい上に健康的とあっては、まさにいいとこどり!苦労して皮をむいて、指のあとがついたりして……なんて格闘する必要もなし。簡単に食べられて栄養価もばっちり!
桃農家の方は、皮ごと食べるメリットをよく知っているため、「皮ごと丸かじり」が常識なのだそうです。筆者もこれまで皮をむいて桃を食べていた人生を取り戻すべく、皮ごと食べる時のポイントをまとめてみました。
桃の産毛を丁寧にとる
まずは、産毛とり。そもそも、あのチクチクとした産毛さえなければ「皮をむこう」なんて思わず、もっと早く丸かじりの醍醐味を味わえていたかもという方も多いのではないでしょうか。
ふきんなどできれいに桃の表面をぬぐい、洗いながら表面の産毛をよく取り除きましょう。案外、簡単です!ツルツルになってきたらOKですよ。
切らずにまるごと
一番のおすすめは、やはり「まるごと」かぶりついて食べることです。皮と実の間のおいしいところも、カテキンも、果汁も、あますところなくいただいてしまいましょう。りんごのように、豪快にいただくのがおすすめです。
新鮮な桃を選ぶこと
栄養的には皮ごと食べるのがよいとはいえ、まるごと頂くのですから、やはり鮮度も気になります。どうせなら、桃農家から直接購入するか、「○○さんの桃」などの生産者の様子がよくわかるネットショップで購入するのはいかがでしょうか。
直前の冷蔵保存でおいしさアップ
皮の処理方法が分かったところで、次は温度管理です。暑い時期によく冷えた桃は、ほてった体を沈めてくれますし、本当においしいですよね。
ただし長時間の冷蔵保存は、水分が飛んでしまったりして、かえって甘みを損なう原因になってしまうため、注意が必要です。
好みのかたさになるまで常温で保存し、食べる前に冷やすことで実がしまり、産毛も取りやすくなるそうですよ。
また、常温保存の際にも、直射日光や風(エアコンも)が当たらないところで自然保管を心がけましょう。みずみずしくいただくためにも、乾燥して水分が飛ばないようにしましょうね。
同様に、すぐに食べない場合には、乾燥防止にラップやビニール袋で包んでから冷蔵庫に保存すれば、1週間程度はもつようです。冷蔵庫→常温(2~3日)→冷蔵庫(数時間)といった感じでしょうか。
おいしく食べられる皮のむき方
丸ごと食べられるのはわかりましたが、場合によっては、皮をむいて食べたり、加工したり、誰かにむいてあげる時もありますよね。そんな時、おいしさをそこなわない皮のむき方をご紹介します。
手順
1.割れ目にそって包丁を入れる。
2.包丁が種にあたったら、桃をくるっとまわす。
手でビンを開けるように、ふたつに割る。(種はスプーンなどで外す)
3.むく方向に注意してむく。(枝付きとは逆側からむく方法)
*おしりから上に向かってむくことになります。
余談ですが、昔話の「桃太郎」の絵本でお婆さんは、上から包丁を入れていたように思います。たぶん桃が大きすぎたので、まな板に置いて切るしかなかったからでしょう。筆者的には、やはり手に持って、割れ目のはっきりしている下(お尻の方)から包丁を入れ、優雅にクルッと回してみたいところです。
ところで桃の旬は、いつ?
出荷時期
桃には、おおまかに分けて黄桃系と白桃系の品種があります。
生でいただくのは主に白桃系ですが、一般的に5月から9月ごろにお店にならびます。けっこう早くから出てるんですね。ハウスものは5月から、ジューンブライドを思わせる「はなよめ」などは6月下旬から、白桃の枝変わりの「瀬戸内白桃」は9月中旬ごろ、と様々な品種が次々と、リレーのように旬を迎えていきます。
ちなみに、昔は缶詰でおなじみだった黄桃系の中でも、最近は「黄金桃」など生でいただける品種も生まれています。こちらは、8月下旬~9月上旬が最盛期です。
一番おいしい時期
品種にもよりますが、7月から8月が一般的においしい時期の目安とされているようです。ちょうど夏休みあたりに、食べ頃をむかえる品種が多いというのは、ウレシイですね。
おいしい桃の選び方
では最後に、店頭でおいしい桃を見分ける時のポイントです。桃のシーズンは長いので、ひと夏で桃の”目利き”になれるかも。
・左右対称で形がいいもの
・色がきれいなもの
・香りが強いもの
・皮全体に産毛があって、ツルツルしていないもの
・傷がないもの
・軸(枝)の部分まで色づいているもの
そういえば、新鮮なキュウリは表面のイボイボがとがっていました。どうせ取るんだから、産毛は少ない方が……なんて思わずに、むしろ産毛がしっかりある新鮮なものを選び、自分で取る方が贅沢だし、デリシャスへの道ですね。