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今週のみずがめ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

花いろいろ

今週のみずがめ座は、可憐と豪放のあいだに立ってぶらぶらと歩いていくような星回り。

「鼻紙の間(あい)にしほるゝすみれかな」(斯波園女)は、一読してすぐに、何とも可愛らしい印象を与えてくれる句。野辺のすみれの花を大事に挟んでおいたのだ、鼻紙のあいだに。そのこと事態を忘れていて、何かの表紙に鼻紙の存在に気付いて、そっと開いてみると、すっかり萎れている。

少年少女だった自分をどこか置き去りにして生きている大人たちを詠んだようであり、逆にいつまで経っても若かりし頃の残滓を捨てきれない人間のサガを詠んでいるようでもある。作者は江戸時代前期の女流俳人で、芭蕉の門下。いかにも女性らしい可憐な人であったかと言うと、どうもむしろ豪放な人柄だったそうです。

だからこその鼻紙なのかと納得しつつも、いやいややはりどこかに繊細さを捨てきれない人物だったからこそ俳句などやっていたのではないかと、勘繰り出すと止まらなくなる。これもまた人間だろう。あなたもまた、自分のなかで矛盾しあうどちらの面にもしっかりと軸足を置き直していくべし。

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今週のうお座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

醒めたり惚けたり

今週のうお座は、夢の中を歩いているような気持ちになっていく星回り。

泉鏡花の『龍潭譚(りゅうたんだん)』の一節「行く方も躑躅(つつじ)なり。来し方も躑躅なり。山土のいろもあかく見えたる、あまりうつくしさに恐しくなりて」。これは神隠しをテーマに、道に迷った男児の不思議な体験を描いた泉鏡花の短編小説『龍潭譚』の一節であり、主人公が見渡す限り躑躅が咲く山を歩く下りで出てくる箇所。

あまりの美しさは幻想幻覚を引き起こし、自分がこの世ではないどこか見知らぬところを歩いているような気持ちにさせるもの。そこでは何がおこるかわからない。まさに鏡花の世界は、日常を超えた美しさに入り込むことによって起こる、異次元体験なのでしょう。

それはこれまで当たり前のようにあった日常に突然穴があき、何かがその向こうに見えてくるという形で始まっていくものの、次の瞬間にはまた隠されしまい、そこで私たちは何か見てはいけないものを垣間見たような気になってくるのです。あなたもまた、ダイナミックな時間的空間的揺らぎを体験していくことになるかも知れません。

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