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“刺激的な作品に出合える”美術館で、前向きな気持ちに!

各ジャンルに詳しい専門家や愛好家が、テーマごとに“NO.1のおでかけ先”を紹介するコーナー『わたしのイチ推し。』。今回は週末アート巡りが生きがいのOLライター・moeneさんが「刺激をくれる作品に出合うならココ!」という美術館をナビゲートします。

年間100以上のアートに触れる週末アート三昧のライター・moeneがナビゲート!

こんにちは。小室世代OLライターのmoeneです。平日は仕事をバリバリこなし、お休みの日は日本全国の美術館や建築巡りに出かけ、きれいなものに触れて心を満たしてます。私にとってアートはガソリンです。
今回は、「刺激をくれる作品に出合うならココ!」という美術館をご紹介します。レッツエンジョイ、アート!

奇抜で躍動感のある作品にパワーをもらえる!/川崎市岡本太郎美術館

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向ヶ丘遊園駅から徒歩17分ほど、生田緑地内にある「川崎市岡本太郎美術館」。数カ月間の休館中に壁面塗装や館内外の案内サインなどのリニューアルを行い、2023年2月1日(水)に再開しました。
岡本太郎といえば代表作「太陽の塔」(1970年) のある大阪のイメージが強いですが、実際は1911年に川崎市で生まれ、1993年には川崎市名誉市民にも選ばれた、関東生まれの芸術家。「芸術は爆発だ」という名言でも知られていますよね。
先述の「太陽の塔」を始め個性的な作品が多い岡本太郎。今回はそんななかでも、刺激を受けたいときに注目して欲しい作品をいくつかご紹介します。

注目ポイント1:「顔」を施した作品

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▲グラスの底や花瓶に「顔」が!

まず注目して欲しいのは「顔」を施した作品。岡本太郎は人間や生き物だけでなく、椅子やグラス、スピーカーなど、身の回りの物に目や鼻や口を施し、あらゆる物に「生命」を与えています。
この作品を鑑賞した後には自分が日ごろ使っている身近な物もいつもとは違ってみえ、日常でも新鮮な気持ちを感じられるようになることでしょう。

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同館で展示されている「顔」を施した立体作品は約120点ほど。
写真左の「坐ることを拒否する椅子」(1963年)は、丸みのある上部に目や顔が付き、凹凸があるので座るのに大変苦戦しました。座り心地は良いとは言えず、タイトル通り、“椅子に拒否される”という珍しい感覚を体験できました。
写真右の「月の顔」(1981年)は、正面から観ると満月、横から観ると三日月のように観える、不思議な作品。
作品全体を通して「顔」がちょっと怖くもありましたが、奇抜で、生命が宿っているかのように躍動感があり、パワーがもらえました。
(※常設展の展示内容は時期ごとに変わる場合があります)

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▲常設展示室入口にある「太陽の顔」

常設展示室入口「赤の部屋」にも、岡本太郎を象徴する顔の付いた作品「太陽の顔」が。遠くを凛々しく見つめるような表情がかっこよく、その名の通り赤一色で染められた部屋からも力強さが感じられます。
岡本太郎は、「赤の中から生まれ、赤の中に生きているという感じがする」というほど幼い頃から赤色が好きだったそう。たくさんの作品に使用される赤色は岡本太郎作品を象徴するカラーともいえます。情熱的な色である“赤色”が多くの作品に使われている点も岡本太郎の作品を刺激的に感じる要因の一つだと思いました。

注目ポイント2:ユーモアあふれる絵画

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▲正面左側に飾られているのが「裂けた顔」(1960年)

立体作品だけでなく、実は絵画も数多く手がけている岡本太郎。これらもかなり刺激的な作品になっているんです!
学芸員の方の説明だと、「裂けた顔」(1960年)はどうやら岡本太郎のパートナー・敏子さんを描いたものらしいとのこと。その情報と作品名を頭に入れて鑑賞してみると、もしかして夫婦喧嘩の際に描いたのかな?と感じられ、人間らしさが垣間見えて笑ってしまいました。

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また「犬」(1954年)という作品は、犬がダイレクトに描かれてはいないものの、首輪やしっぽのようなものがあったりと、犬を想起させる要素が散りばめられている面白い一枚。目の上の「まつ毛」があるようにみえる箇所は、なんと、犬の散歩途中にある「電信柱」を表しているそうです!
このようなユーモアにあふれた作品が多く、一つ一つの作品をじっくり覗き込んで観てしまいますし、周りの来場者も睨めっこするようにのめり込んで作品を鑑賞していました。

刺激をもらって、楽しく前向きになれる

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美術館を訪れて気になったのは、来場者の年代が20代~60代と幅広いこと。岡本太郎好きを公言している著名人も多く、その影響を受けた岡本太郎と同じ時代を生きていない20~30代の若者世代にも、岡本太郎ファンが増えているのだとか。
30代の私も例に漏れず、岡本太郎の強烈な作品を浴びたことで、興奮したり笑ったりと感情が動き、彼のファンになりました。岡本太郎の作品を観ると、楽しく前向きな気持ちになれるので、刺激をもらって前向きになりたいときにまた訪れたいと思います!じっくり鑑賞するのに1時間では足りないので、時間に余裕をもって来場してくださいね。

企画展「第26回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」展も開催中

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岡本太郎の没後、彼の遺志を継ぎ「時代を創造する者は誰か」を問うための賞、その名も「TARO賞」が創設されました。
2023年で26回目を迎えたTARO賞。595点の応募があり、厳正な審査の結果23名が入選を果たしました。入選作品は美術館にて2023年4月16日(日)まで公開されています。
常設展とあわせて、21世紀における芸術の新しい可能性を探る、“ベラボーな作品”をぜひ鑑賞してみてください。

川崎市岡本太郎美術館

所在地
神奈川県川崎市多摩区 枡形7-1-5
最寄駅
向ヶ丘遊園
電話番号
044-900-9898

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※本記事は2023年03月14日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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