就職、結婚、出産、子育てとめまぐるしい経験を経てきた40代。まだまだ体力的にも精神的にも余裕がある人は心配ありませんが、新型コロナウイルスの影響で仕事や育児、お金などの悩みが深刻化している人も増えています。落ち着かない状態が続くと不安や焦りなど、マイナスの思考が頭のなかを支配してしまいます。そんなときに「不安」と向き合い、心に栄養と活力を与えるにはいったいどうしたらいいのでしょうか。今回は『寝る前に5分読むだけで不安がスーッと消え去る本』(大和出版)の著者であり、心理カウンセラーで作家の弥永英晃さんに不安感を解消し、ラクに生きるためにはどうしたらいいのかを伺いました。
「意識」と「潜在意識」
「意識」と「潜在意識」のイメージ
21年間で1万2000人ものカウンセリングを経験してきた弥永さん。カウンセリングを受けた人の回復率はなんと98%。専門は、不安、うつ、パニック障害、トラウマ、愛着障害などの病気の改善にとどまらず、恋愛、ダイエット、禁煙、依存症、不眠などの患者さんとも向き合ってきました。また、作家としても精力的に活動されています。そんな弥永さんにまずは「意識」と「潜在意識」について伺いました。
「私たちの心は意識できる『意識』と、意識できない『潜在意識』の2つに分けられます。意識は心の領域の1割ですが一方で、潜在意識は心の領域の9割を占めます。つまり、意識できる意識の力を使って不安をなくす努力をするよりも、潜在意識を使うほうが効率的というわけです。その潜在意識をより有効に使うにはイメージすることが大切です。また、潜在意識は現実とイメージを区別できないという特性を持っているので、その特性を生かせばポジティブなイメージを現実のできごとのように捉えることができます。その結果、不安な気持ちを消し去ることができるというわけです」
不安を消すために暗示をかける
潜在意識によって植えつけられたプラスの暗示やイメージは、行動や思考、習慣となって実際に表れると弥永さんはいいます。もう少し詳しく潜在意識について教えていただきましょう。
「私たちは朝、起きて歯を磨き、顔を洗います。学校や会社にも迷うことなく到着し、食事をするときは『いただきます』と言って手を合わせます。これらの行動は長年の習慣からすべて潜在意識に植えつけられています。同じように心の不安も前向きな暗示をインプットしていけば自己暗示により、潜在意識を変えることができます。
よく耕した畑に良質の種を撒き、肥料や水、太陽の光を加えれば植物はスクスクと育ちます。そしていずれたくさんの作物が実るでしょう。私たちも潜在意識という畑にプラスの言葉や暗示、イメージを与えれば、それは『行動、思考、結果、習慣』となって心にプラスに作用していきます。つねに不安や心配に押しつぶされそうになっている人は潜在意識を意識し、ポジティブな暗示をかけてみてください」
読むだけで不安が消え去る「7つの物語」
潜在意識を変えることによって日々の不安や心配から少しずつ解き放たれることがわかりました。では、実際にはどのように行動をすればいいのでしょうか。弥永さんに具体的に伺いました。
「私は心理カウンセラーで作家という立場から『脳科学』と『心理学』の理論・技法を活かした物語(小説)があれば心を深く癒すことができるのではないかと考えました。そこで、5分ほどで読み終わる7つの物語を考えました。どの物語も潜在意識に働きかけるので読み終わったあと不安がスーッと消え去ります。そしてこの物語は潜在意識が入りこみやすい夜に読んでください。眠る前に読むだけで物語の内容を潜在意識に落とし込むことができ、翌日から心が軽くなり、不安がなくなります。これは心理学に根拠のある方法ですが、脳科学の観点からも絶大な効果が期待できますよ」
寝る前に5分読むだけで不安がスーッと消え去る本
『寝る前に5分読むだけで不安がスーッと消え去る本』出版社:大和出版価格:1540円
「一度読んで終わりにはせず、毎日寝る前に5分読んでみてください、そしてジョセフ・マーフィー博士の「潜在意識21日間の法則」にならって、21日間は続けてください。」と、弥永さんはいいます。3週間続けたことによって潜在意識は固定化されます。ポジティブな思考が習慣となれば、不安感から逃れることができそうです。
7つの物語はどれを読んでも明るくポジティブな気持ちにさせてくれます。私も実際に21日間、読み続けてみましたが、まさに不安がスーッと消え以前よりも前向きで優しい気持ちになった自分に気づきました。今も枕元に置き、少しでも不安が残っている日はお気に入りの物語を読んで眠りにつくようにしています。毎日の生活に少しでも不安に思うことがある人は、ぜひ手にとってみてください。心からオススメします。
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教えてくれたのは、心理カウンセラーの弥永英晃さん
【著者プロフィール】
弥永 英晃(やなが・ひであき)
心理カウンセラー、カウンセリング博士、作家、看護師。
自身もうつ・パニック障害を経験。心理療法でよくなったことから、心理カウンセラーとして活動。
2021年1月より、「苦しんでる人の助けになりたい」という思いから「メンタル本大賞」発起人の成瀬俊昭さんと心理カウンセラーの細貝しょうさんと3人でメンタル本大賞の実行委員としても活動をしている。
これまで自身の著作は累計13万部を超えており韓国、台湾、中国でも海外翻訳されている。いずれも医学博士、心理学者、大学教授など海外で高い評価を受けている。
6月には絵本を発売予定。