出そうで出ない、出たけど何だかスッキリしない。身体だけでなく、心にとっても悩みの種となるのが「便秘」です。腸の調子がいいだけで、肌荒れやダイエット、さらにはイライラ・モヤモヤという気分まで改善することが期待できます。便秘は腸がうまく働いていない状態のひとつの症状なので、できるだけ早く解消したいですよね。便秘を解消するには、食事で「腸内環境を整えること」が欠かせません。今回は腸内環境を整えるための基本、さらにはちょっとした工夫で手軽に実践できる「腸活」を管理栄養士が解説します!
こんな便秘の症状。皆さんあてはまりませんか?
お腹が張っている、排便後も便が残っている感じがしてお腹がモヤモヤする、便が硬くて出にくい、いきまないと便が出ないといった便秘状態が続くと、動くのが億劫になったり、だるさを感じたり、肌荒れしやすくなったり、いきんで排便して痔になってしまったり。便秘でお悩みの方は、さまざまな便秘症状や、そうした症状が原因で起こる悩みをお持ちなのではないでしょうか?
便秘の解消法として、よく聞くのが「ヨーグルト」だと思います。便秘解消のために約9割の方が「ヨーグルト」を食事に取り入れた調査結果もあり、「腸活=ヨーグルト」は一般に定着しているようです。
ヨーグルトは、腸内で良い働きをする善玉菌を増やす働きがあります。その一方で、ヨーグルトは個々人ごとに相性が良いものとそうではないものがあり、もし合っていない場合は食べていても便秘解消効果が期待できない可能性があります。
以下では、便秘解消のために腸内環境を整える方法、さらにヨーグルトをはじめとする具体的な食材の選び方をみていきます。
腸内環境を整えるために覚えておきたい2つのこと
腸内環境を整えるうえで重要なのが、腸内の善玉菌の割合を増やすことで、大きく分けて2通りの方法があります。
1つ目は、健康に有効な作用をもつ善玉菌「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。ヨーグルト摂取は、この方法にあてはまります。
2つ目は、もともと腸内に存在する善玉菌を増やす、活性を高める作用がある「プレバイオティクス」を摂取する方法で、オリゴ糖や食物繊維の摂取があてはまります。
また、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて摂取することを「シンバイオティクス」といい、より効果的に腸内環境を整えられるとしています。
相性の良いヨーグルトはこう選ぶ
先に紹介した腸内環境を整える方法のうち、善玉菌「プロバイオテクス」を直接摂取するのにうってつけの食材は、ヨーグルト以外に、乳酸菌飲料、納豆、漬物などビフィズス菌や乳酸菌を含む発酵食品などがあります。納豆や漬物をおかずとして食事に加えるだけで手軽に摂取できます。
また、ヨーグルトは、メーカーによって含まれている菌の種類が異なります。さらに、私たちの腸内細菌の種類も個人によって多様で異なるため、相性の良いヨーグルトを食べることが重要です。
相性の良さ判断する方法は、2週間同じヨーグルトを毎日食べ、排便のスムーズさやリズムなど体調に変化はあるかを確認することです。1週間程度で、合っている、もしくは合っていないと感じたらそこで判断していただいてもかまいません。
注意点として、1回で大量摂取し、その後食べるのを止めるという方法では効果を十分に得られない可能性があります。1日100g程度、パックに入っているものなら1個を目安に食べましょう。ヨーグルトは、色々な種類がありますが、体に良い働きをする成分を国から認められたトクホマークが付いているものを選ぶのがおすすめです。
ご自身の腸内環境と相性の良いヨーグルト探しをぜひ行ってみてください。
食物繊維、みなさん意識していますか…?
腸内に存在する善玉菌を増やす、活性を高める作用がある「プレバイオティクス」は、前述のとおり、食物繊維やオリゴ糖に含まれています。
このうち食物繊維は、穀類、野菜類、豆類に多く含まれている不溶性食物繊維と海藻類や果物類に多く含まれている水溶性食物繊維の2種類があります。