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「雨が降ると頭痛が…。」意外と知らない頭痛解消のカギは「水」だった。薬剤師直伝雨の日頭痛のセルフケア

ライフスタイル

saita読者座談会から飛び出した「悩み」をピックアップする企画の第2弾は「頭痛」。第4回目も「雨の日(低気圧)頭痛」を取り上げます。前回同様に「誰でもできる」「すぐできる」筆者実証済みのオススメセルフケアとともに、おいしくて頭痛や巡りに効果的なドリンクレシピも併せてご紹介します。

着圧ソックスやむくみ防止サプリも有効

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着圧ソックスなどの「むくみ対策」グッズは、雨の日頭痛予防に効果的。

ーー「むくみ予防」と言えば「着圧ソックス」や「むくみ防止サプリ」が思い浮かびますが、これらも雨の日頭痛に有効ですか?

齋藤先生:着圧ソックスのようなアイテムを使うことはもちろん、水のめぐりの良い食材を積極的に取り入れるなど内側からのケアも大切です。むくみ防止サプリメントは野草や野菜など、カリウムの補充をするものや、リンパの流れを良くするものなどがあります。血液中にナトリウムが多いと、塩分濃度を下げるために水をため込んでしまい、むくんでしまいますが、カリウムを摂るとナトリウムを追い出すことができるので、結果的にむくみを予防できますね。

漢方の知恵を取り入れる

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ゴーヤ、きゅうりは体の水はけをよくする食べ物。

ーー漢方の観点からはどうでしょう?

齋藤先生:漢方で考える水はけをよくする食材は、すいか、メロン、冬瓜、ゴーヤ、きゅうりなどです。それぞれに利水作用があるので、体に余分な水が溜まってむくんでいる時に有効です。先に紹介した、はとむぎ茶は水分代謝を良くするだけでなく、栄養成分が豊富で胃腸の働きも整えます。コーン茶やその原料であるとうもろこし、そしてとうもろこしのヒゲにもデトックス効果があり、余分な水分の排出に役立ちます。

「鎮痛薬の使い方」が雨の日頭痛ケアの第2の鍵!

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雨の日頭痛対策の2つ目の鍵は頭痛薬の使い方

ーー水分補給の方法や半身浴、おいしくデトックスができるドリンクなど、今日からすぐにできる予防や対策ばかりを教えていただき、とても心強く思います。ところで先生は漢方の専門家ですが、薬剤師の資格もお持ちなので、鎮痛薬についてもお伺いしたいと思います「Aを最初に飲んで、効かなければBを飲む」というように2種類以上の鎮痛薬を使っている人が多いようなのですが、一般に鎮痛薬を飲む時間の間隔は4~6時間になっています。Aで効かない場合は、「次のBを早く飲みたい」と思う人が多いのは当然かと思うのですが、2種類の薬を短時間に飲むことは可能でしょうか?

齋藤先生:商品名は違っても、体内での働き方(作用機序)は同じものもあるので、飲む間隔を短くするということは、増量して飲むことと同じです。また作用機序が違ったとしても、身体にとっては代謝しなければならない異物であることは事実なので、胃腸障害はもちろんですが、肝臓や腎臓に負担をかけ、アナフィラキシー症状を起こすこともあります。自分を守るためにも、2種の薬を短時間に飲むことはやめましょう。

ーー次の薬を飲むまでの時間は必ず守る、ということですね。では、「胃にやさしい」と記載されている鎮痛薬を空腹時に飲むことは可能ですか?

齋藤先生:「胃にやさしい」と書かれている鎮痛薬は、胃粘膜への影響が比較的少ないため、このような書き方がされています。空腹時に飲むことも可能です。ただし、人によって影響はさまざまで、吐き気や胃痛が起こる可能性はゼロではありません。だからこそ用法に「空腹時は避ける方が望ましい」と書いています。ご自身の身体と相談して、普段から胃腸が弱い、何かあったら嫌だなと思ったら、何か口にしてから服用することをお勧めします。

雨の日(低気圧)頭痛ケアのまとめ

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第1の鍵は「水分の循環」第2の鍵は「鎮痛薬の使い方」

雨の日に起こる頭痛の原因は、気圧とあともう1つ、湿気のせいで体内に水分が溜まりやすくなることが原因のようです。これを防ぐためには、半身浴や運動で汗をかいて溜まった水分を排出するか、新しい水分を体内に送り込み溜まっていた水分を追い出すことが必要です。お茶、水、白湯などを小まめに摂り、1日に6~7回ほどトイレに行くような状態にすることを心掛けます。水分補給で気をつけたいことは、冷たい飲み物はNGということ。常温または温かい飲み物、そして利水作用のあるはとむぎ茶やコーン茶、黒豆茶などが有効です。おいしく栄養補給やリラックスをしたいなら、あんず紅茶もオススメ。
さまざまな工夫をしても、痛みに襲われてしまった時には、用法・容量を守り、速やかに鎮痛薬を服用します。正しく使えば鎮痛薬はとても頼りになるものですが、思い込みや自分なりの解釈で服用の間隔や容量を守らずに使うと、体は異物として捉えてしまい、肝臓など内臓に負担をかける結果となるため、自己判断は禁物です。

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親しみやすい「生活に寄り添ったアドバイス」で人気の齋藤先生

お話を伺ったのは……薬日本堂・薬剤師 齋藤 友香理先生
東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務め、多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら外部セミナーも担当し、漢方を学ぶ楽しさを広めている。また社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。

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