恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、TBS火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』を毎週考察&展開予想するコラムです。今の日本人の生き方、価値観に一石を投じてくれそうな本作で、真柴くるみ(川口春奈)と藤野駿(横浜流星)が繰り広げる”うちキュン”はどう展開されるのか!?
※このコラムには『着飾る恋には理由があって』エピソード第8話までのネタバレが含まれます。
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フレンチレストランでのデートを軸に、それぞれの気持ちが錯綜してしまった今回。
男子陸上・真柴杯・決勝開幕、シェアハウスに住む二体のこうじ、賛否両論の真柴の選択などについて言及していきます。
男子陸上・真柴杯・決勝開幕
香子さん(夏川結衣)に譲ってもらった人気フレンチレストランの予約。駿(横浜流星)と真柴(川口春奈)にとっては初めての正式なデート。
しかし、その当日に駿の仕事が入ってしまった上、予約客の到着が遅れたことで待ち合わせの時刻を大幅にすぎてしまい、おまけに駿はスマホを持っていないもんだから真柴に連絡も取れないという事態に。
一方、駿が待ち合わせ時間に来ていないことを知った葉山社長(向井理)は、代わりに自分が行くと真柴の元へ。
二人のイケメンが真柴を目指して猛ダッシュする姿は、まるで真柴をゴールとした男子陸上・真柴杯・決勝を見ているようでした。
オリンピックを目前にした東京で巻き起こった、胸が熱くなるこの勝負。タッチの差で勝利したのは葉山社長。
駿は道路越しの真柴に、「くるみー」と初めて下の名前で叫んだものの声は届かず。あんなにも下の名前で呼んでほしいと望んだ真柴の初めてが、車の音でかき消される様子は見ている方も切なさでいっぱいになりました。
葉山社長の大人な駆け引き
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「真柴のこと、頼むね。もし頼めないなら遠慮はしない」と、駿に堂々と宣戦布告した葉山社長。
「初めに泣かせたのはどっちですか」と駿が食ってかかるものの、「ありがと。(俺のせいで泣いていた真柴と)付き合ってくれて」と、”俺が泣かせたのに一時的にリカバーしてくれてありがとな”と、余裕を見せながらマウントを取るかのような切れ味鋭い一言に震えてしまいました。
それでも嫌なやつに見えないのが社長のすごいところ。
結局、駿がレストランデートの件で真柴を泣かせそうになっていることに気づき、社長は「遠慮はしない」をすぐさま有言実行。
駿との約束に見事カットインしたわけですが、やり手社長はやはり抜け目ない。真柴とのババ抜きでも「負けた方が秘密を話そう」と誘いかけ、わざと負けにいこうとしてましたしね。
ババ抜きは中断してしまい、結局秘密とはなんだったのか聞けず、また我々は社長にお預けを食らったわけですが。もう何回目だよ、社長のお預け! こちとら何カ月待たされてると思ってるんだ! もうすぐ3カ月経つぞ!
賛否両論⁈ 真柴の選択
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今回真柴は、駿が時間に間に合わないと判断して「一人で行くよりは……」と社長の提案に乗り、二人で那須塩原のレストランに向かうこととなったわけですが、これ一番選んではいけない選択をしたと思いませんか。
今までの発言から真柴は駿を彼氏としてはっきりと選んで、本人にもそれを告げていたわけですよね。そして、駿は葉山社長の存在をずっと気にかけていたことも知っているわけです。
であれば、駿の代役として葉山社長は絶対に選んではいけなかった。
代理で行ったことを隠せる環境ではないし、行ったことをどうやって駿に説明するのでしょうか。友人でも、陽ちゃん(丸山隆平)でも、他なら誰でもよかった。たまたま社長の都合が合ったからだとしても、駿の気持ちを知っていたら自分の大切な人との関係を天秤にかけて断るべきでした。
代案はあった⁉ 真柴の選択の正解とは
他にも代案はあったと思うんですよね。
例えば、駿の職場を知っているわけですから、そこに電話をして連絡を取るのも手だし、それが気後れして難しいとしても、駿の性格的に「絶対に行く」と断言していたのだから遅れてでも駆けつけてくれるタイプだと思うんですよね。
なので、置き手紙を家に置いて駿を信じてレストランに一人向かって待つ、という手段もあったはずです。
レストランデートが土曜だと仮定した場合、那須塩原行きの電車は、予定していた「17:16」の次は20分後にあるんですよ。それで行けば、フルコース約2時間と仮定しても全然楽しめる時間帯に到着するのではと。
まだ描かれていない真っ当な理由や、そこまで駿を待てなくなってしまった真柴の余裕のなさや気持ちの揺らぎがあったのかもしれませんが。
しかし、駿と行くはずだったレストランの名前は「AMOUR」。つまり、フランス語で恋人。その恋人という場所へ一緒に向かったのが葉山社長とはまた皮肉なこった。