「ファシア」というからだの組織をご存じですか?肩甲骨まわりのファシアをほぐすことで、つらい肩こりやダイエットにアプローチできるといいます。そこで、今回はあんしん漢方の理学療法士、濱南くにひろさんにファシアについて伺いました。いま話題の肩甲骨はがしを覚えてすっきりと軽い肩を目指しましょう。
「ファシア」をゆるめる肩甲骨はがしとは?
まずは、ファシアとはなにかと、ファシアを緩める肩甲骨はがしについてご紹介します。
ファシアとは?
いきなり「ファシア」といわれても、ピンとこないですよね。ファシアは皮膚・筋肉・神経・骨・血管・臓器などの周りにある「組織」のことです。
少しわかりにくいと思うので、みかんで例えてみます。みかんの黄色い皮が皮膚、果肉が筋肉だとしましょう。みかんの皮を剥くと白い繊維状の皮が出てきますよね。その白い皮がファシアです。
ファシアと肩こりの関係
肩甲骨の周りにあるファシアが硬くなったり、癒着してしまったりすると、神経や血管を圧迫して、肩こりの原因になります。また、硬くなったファシアは筋肉の動きも阻害するので、どんどん肩周りがガチガチになっていくのです。
ファシアをゆるめてくれる肩甲骨はがしはダイエットにも効果的!
ファシアをゆるめるには、肩甲骨はがしがおすすめです。肩甲骨はがしとは、文字通り「はがす」のではなく、肩甲骨をさまざまな方向へ動かしていく体操のこと。肩甲骨の動きにともなってファシアも動くので、ファシアがどんどんゆるんでいきます。
肩甲骨には19種類もの筋肉が付着しており、ファシアもたくさん存在しているので、定期的にほぐすことがとっても大切。また、肩甲骨はがしにはダイエットにも効果的。脂肪を燃やし熱を生み出す「褐色脂肪細胞」を刺激することができ、ダイエット効果も期待できるのです。
肩甲骨かたくなってない?セルフチェックで確認してみよう
ここでは、肩甲骨周りのファシアが硬くなっていないかどうかをチェックしていきましょう。
肩甲骨のセルフチェック1「合掌ポーズ」
合掌ポーズでは、肩甲骨の間のファシアの硬さを確認できます。合掌ポーズ自体に肩甲骨はがしの効果もあるので、一石二鳥です。
合掌ポーズのやり方
1. 目の前で両手を合わせる。このとき、両ひじもくっつける。
2. (1)の状態で、指先を天井の方向に動かしていく。
3. ひじの高さが肩より上にくればファシアがゆるんでいる証拠。ひじが肩より下であれば、ファシアが硬くなっている状態。
肩甲骨のセルフチェック2「背中タッチ」
背中タッチは、背中で両手を合わせるセルフチェックです。みなさんも一度はやったことのある方法だと思います。
背中タッチのやり方
1. 右手を上から、左手を下から背中にまわす。
2. 背中の方で右手と左手がタッチできればファシアがゆるんでいる証拠。タッチできない方は、ファシアが硬くなっている状態。
3. (1)が終わったら、左右の手を入れ替えて同様のことを行う。
おすすめの肩甲骨はがし2選
それでは、ファシアをほぐす肩甲骨はがしをみていきましょう。
肩甲骨を上にはがす「広背筋ストレッチ」
広背筋をストレッチする過程で肩甲骨が上方向にはがれていきます。肩こりの原因になりやすい、巻き肩姿勢の改善にもぴったりです。
広背筋ストレッチのやり方
1. イスに座る。
2. 右手をバンザイしながら、左斜め45度に上半身を倒していく。
3. 右の脇腹が伸びていればOK。30秒ほどストレッチする。
4. (1)~(3)が終わったら、今度は左手で同様のことを行う。