働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、FP(ファイナンシャルプランナー)の石川福美さん。
今回のお話「マイタンブラーって何回使えば元が取れる?」
毎朝、出勤前にコンビニやカフェで飲み物を買っていると、1回分の金額は高くなくても、毎日となると結構な出費になるもの。最近はマイタンブラーを使っている人も多いけれど、購入したところでちゃんと使い続けられるかどうかも分からない。そもそもマイタンブラーって何回くらい使えば元が取れるのでしょう。
1日1杯のコーヒーでも年間10万円に!
毎日のコーヒー、飲むことでなんだか気持ちがシャッキリしますもんね。とはいえ、小さな金額でも1カ月、1年で考えると大きな金額になります。
ここでは、1杯350円で考えてみましょう。出勤日を22日と考えると、月に7,700円ほど。年間に換算すると9万2,400円と、10万円近くになります。具体的な数値になると驚きますよね。
では、マイタンブラーを使うと、何回くらいで元が取れるのでしょうか。
コーヒーを毎日飲む場合、ひとつ3,000円のタンブラーを買ってコーヒーを自宅から入れていくとすると、2週程度で元を取れることになります。
ペットボトル飲料なら150円程度なので、出勤日を22日で考えると、ひと月くらいで元を取れるといえるでしょう。
実は、FP業界の中では「ラテ・ファクター」という言葉が世界共通で使われています。
コーヒー1杯だけを考えると小さな節約ですが、1年で見ると大きくなりますよね。そういったカフェラテのような小さな出費を抑えることで、お金を節約し目標を達成できるという意味で使われています。
ひとつだけだとそれほど意味がないと感じる小さな節約でも「塵も積もれば山となる」です。少額でもお金の使い道は考えてみることをおすすめします!
タンブラーを習慣づけるには「収支割合の認識」から
タンブラーの利用を習慣づけるには、収支割合を認識することが大事。認識するには家計簿をつけるのが一番効果的です!
私は普段、資産形成のコンサルティングを行っています。資産形成というと「資産運用」でお金を増やすことに注目されがちですが、無駄な支出を減らすことも同じくらい大切なのです。
皆さん、大きな支出はしっかりカウントするのに、コンビニのペットボトル飲料やコーヒーなどの細かいものは記録しないんですよね。
ですが、先ほどお伝えした通り、1杯のコーヒーも年間で考えると大きな出費。まずは細々した支出を出し、「こんなに使っていたんだ!」と認識することから始めるのがおすすめです。
しかも、小さな出費の方が回数が多いので、トータルすると大きな家具・家電の価格に匹敵することも。自分がどれだけ使っているのか、どれだけ支出を圧縮できるのかを把握することで「毎日タンブラーを使おう」という意識ができますよ。
コーヒーが毎日の仕事の糧になるのなら続けてOK!
小さな出費でも年間で見ると大きな金額になることはご説明しました。「じゃあ我慢した方がいいのかな……」と考えてしまうかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
過度な節約はする必要はなく、支出に優先順位をつけてコントロールできているかが大切。毎日1杯のコーヒーが、自分にとって必要なもので仕事の糧になるのであれば、支出に優先度をつけ、コーヒー以外の部分で支出をコントロールするのがおすすめです。
収入に対する出費が上回り、赤字分をボーナスで相殺する方がいますが、もちろんそれはNG。収入の中で上手にやりくりをしましょう。
節約だけではなく環境への配慮にも
また、タンブラーを使うことは、節約になるだけではなく環境への配慮にもなりますよね。プラスチックカップを使わないことで、プラスチックの廃棄量を減らすことに繋がります。
日本は、一人当たりのプラスチックの廃棄量が世界2位だといわれています。これは、先進国の中でも遅れている数値。
現在では、先進的な考え方のヨーロッパを中心に、環境・社会・ガバナンスに配慮した企業に投資する「ESG投資」という考え方も浸透してきており、社会の注目がシフトしている状態といえます。そういった「SDGs」の考え方も頭に入れて生活することで、ワンランク上の女性になれるでしょう。
好きなデザインのタンブラーを選ぶことで、使い続けるモチベーションにつながると思いますよ! ぜひ今日から始めてみてはいかがでしょうか。
令和のマネーハック33
1回の金額は小さくても、1カ月、1年単位で考えると大きな支出に。マイタンブラーを使えば節約になるだけではなく、環境への配慮にもなる!
(監修:石川福美、取材・文:ameri)