今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自分が生きた後の世界
今週のさそり座は、非個人的成長にエネルギーを贈与していこうとするような星回り。
生物の歴史をこれまで誕生した生物種のうちどれだけの割合が絶滅しているか、という観点から振り返ってみると、じつにその99.9%が絶滅しているのだとか。
そして、現生の人類も生物学的には今後100万年続くことは考えにくく、今後10万年続くかどうかも分からないそうです。ウイルス研究の第一人者である宮沢孝幸は、すでに20万年続いた現生人類が別の新型人類への入れ替わっていくスイッチは、すでにもう入っているのかも知れないと述べています(『京大おどろきのウイルス学講義』)。
人類が、そしてみずからもまた近く絶滅してしまうかも知れないという仮定を、まじめに受け止めるとき、そこでは「後に何を残すか」ということのみが問われていきます。現生人類は、そしてあなた自身は、あなたが滅んだあとの世界ないし地球環境に、何を残すべきであり、現にどんなものを残しつつあるのでしょうか。大袈裟な話ではなく、先々のことを考えての備えや後始末について考え、動いていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ゆるんでいっぱい
今週のいて座は、繊細な調整を重ねていくなかで、自分を大切にする感覚を取り戻していくような星回り。
「ぎんなんのさみどりふたつ消さず酌む」(堀葦男)では、銀杏の実をつまみに晩酌しているのでしょう。ただ、その鮮やかな緑色をした実の美しさに、残らず平らげて眺められなくなるのが惜しくなり、最後の二粒をのこして飲み続けている。
なんということはない情景ではありますが、自分の前から失われつつある何か大切なものを残したいという想いや、その色合いや感触を際立たせるためにあえてひらがな表記を施した創意工夫などは、いまのいて座の人たちの心理や必要な行動とも重なるところが大きいのではないでしょうか。
よい酒を飲んで気持ちよく酔うためには、そうした勘所の見極めと、失いたくないものを美しく表現するためのひと工夫が不可欠になってきますし、それがどれだけささやかで個人的なものであれ、そうした繊細な調整を日々少しずつ重ねていくことが今のいて座には大切であるように思います。あなたもまた、誰も気にも留めないようなディティールにこそ自身の命運がかかっているのだと思い定めてみるといいかも知れません。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
火に惹かれていく
今週のやぎ座は、遊びをともなう交わりを通して、生きる希望を取り戻していくような星回り。
人間は火を焚く動物であり、火を焚くことができれば、それでもう人間らしい人間なのではないでしょうか。派手なネオンに彩られた虚栄の街へと出かけ、そこで背中まで夕闇が迫って、必要なものとそうでないものの見分けがつかなくなったり、自分の価値を見失ってしまった時、私たちは再び自分の手で火を焚かなければなりません。
オレンジ色の神秘の炎を見つめ、その炎の奥の金色の神殿から、他の誰かに信じ込まされた物語ではなく、他ならぬ自分自身の裸の目と耳に響く、昔と今と未来の物語が聴こえてくるまで。
したがって、焚き火というのはどうしたって仕事というより、遊びでするものとなります。そうして落葉がなくなったり、くすぶったりして火が消えそうになれば、また燃える材料を足したりつついたり、誰かから火種をもらったりして、火を守っていくのです。あなたもまた、精神が自然と昂ぶるような相手や場所に足を運んでみるといいでしょう。