今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
光の躍動
今週のさそり座は、支えるべきものにおのが力を目一杯あたえていこうとするような星回り。
ポルトガルのロカ岬の碑文に刻まれた「ここに地終わり、海始まる」という詩の一節で知られる詩人にカモンエシュという人物がいる。彼のある夜通しの一夜について語られた文学的資料によれば、テーブルに灯していた蠟燭が消えた時、この詩人は飼い猫の眼の光で詩を書き続けたのだという。
蝋燭がいなくなっても、そこには猫がいた。そう!火にみちた眼で詩人の手から詩が生みだされていく様子をじっと見つめていた。その時どうしてすべてがその視線の、光の躍動を維持しないことがあろうか。ひとつのものが衰えれば、残りのものがより一層協力しあって埋め合わせをするのだ。
今週のあなたもまた、以前から目をかけていた相手や営みに、より一層力を注いでいくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自分の土俵に立つということ
今週のいて座は、身近で当たり前になりつつある場所への解像度をグッと上げていくような星回り。
「目高浮く最中へ落る椿かな」(溝口素丸)で詠まれた景色のスケールはごくごく小さく、雄大な自然のなかのささやかなワンシーンに過ぎないはずなのに、決してそう感じさせないのは、掲句が静けさのなかの一瞬の動を鋭く捉えているからだろう。
同じことは俳句以外にも通底する話で、ダイナミックな作品を作るのに、必ずしも舞台となるロケーションやタイムスケジュールの大きさは必要ないのであって、それよりも作り手がそこで起きている出来事の機微をいかに的確に捉えられるかどうかにかかっているのではないか。
今週のあなたもまた、あれもこれも欲張るのでなく、ささやかであっても自分の土俵といえる場所にきちんと目を向け直していくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
確かな手応えを求めて
今週のやぎ座は、「対話」を回復させるための精神的なスポーツに打ち込んでいくような星回り。
「われわれが心の底を友だちに見せることができないのは、ふつう、友だちに対する警戒心よりも、むしろ自分自身に対する警戒心である」と言ったのはラ・ロシュフコーでしたが、その意味で、友だちに悪口をいうというのは、やはり最大のサービス行為と言えるでしょう。
なぜなら、弱い人間というのは率直になれないものですし、率直さの伴わない悪口というのは悪口でさえなく、単なる自己顕示欲の現われでしかないからです。悪口を言われたら、悪口をもってこたえねばならない。それが友情であり、義理というものなのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、ずっしりと重い手ごたえのボールを投げ返すべく、自分自身に対する率直さを取り戻していくことがテーマとなっていきそうです。