「脚を引き締めてスカートをはきたい。」「パンツのウエストは大丈夫なのに太ももが引っかかる。」脚がスッキリしない原因は人によってさまざま。自分に合った方法でアプローチするのが効果的です。今回は脚が太くなる原因と美脚のために取り入れたい食材について、管理栄養士の小原水月さんに伺いました。
まずは脚が太くなる原因をおさらい!
脚が太くなる原因は大きく分けて3つあります。まずは、自分がどのタイプかチェックしてみましょう。
1:血流悪化で起こる「むくみ」
むくみは血流がとどこおり、水分が血管やリンパ管から染み出し、皮下細胞のすき間に溜まった状態です。
重力の影響で水は下へ落ちるため、ひざ下から足先に多く起こります。すねの辺りを指で押して、指の跡が残ればむくんでいると考えられます。
2:余った脂質がたまった「脂肪」
皮下脂肪が多くなると脚が太くなります。皮下脂肪が多いとは、エネルギーやからだの材料として使い切れなかった脂質が、皮膚の下の脂肪細胞に過剰に溜まった状態。お尻から太ももにつくことが多いのも特徴です。
一方、脂肪には貯蔵エネルギーとしての役割や、熱の拡散を防ぎ寒さからからだを守る働きもあります。
3:血流悪化+脂質過剰で生じる「セルライト」
セルライトとは太ももの裏やお尻、おなかなどにみられるデコボコした肌の状態のことです。脂肪細胞が硬化したもの、あるいは脂肪細胞が老廃物と結合して皮膚を押し上げている状態と考えられています。
放っておいてもからだに害はありませんが、肌のハリが失われ、たるむと目立つことも。セルライトが作られるメカニズムはわかっていないことも多いのですが、脂質の過剰摂取や血流の悪化との関係が指摘されています。
お悩み別! 脚痩せに効果的な食材3選
元気で美しいからだを作るためには、バランスのよい食事を摂り、からだの機能を底上げすることが大切です。そして、土台を整えたうえで、お悩みに合った食材を取り入れれば、問題解決までのスピードを加速させることができます。
むくみ解消に効果的な「海苔」
海苔に豊富に含まれるカリウムとビタミンEはむくみ解消の力強い味方です。
カリウムには利尿作用があり、体内の余分な水分の排出を促す働きがあります。そして、ビタミンEは血管を広げる作用があるため、血流改善に期待もできます。
また、漢方医学で海苔は血(けつ)の巡りをよくすると考えられていて、むくみ解消にぴったりの食材といえます。おにぎりはもちろん、出汁がよく出るので味噌汁の具にするのもおすすめです。
脂肪燃焼を助ける「豚ヒレ」
豚ヒレに多く含まれるビタミンB群は、脂肪をエネルギーとして使うときに欠かせない栄養素です。
ビタミンB群とはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6……と8種類のビタミンを総称したもの。ビタミンは単体ではなくチームで働くのでこのように呼ばれています。
また、東洋医学で豚ヒレは胃腸の調子を整え、からだの機能を底上げすると考えられています。
豚ヒレは脂肪が少ないため長時間加熱すると硬くなりやすい食材です。サッとソテーにしたり、ブロックのままオーブン焼きにするなどにすると、しっとりとおいしくいただけます。
セルライトをやっつける「納豆」
納豆には脂肪燃焼と血流に関わる栄養素が両方とも含まれています。
納豆に含まれるビタミンB群は脂肪代謝に欠かせない栄養素で、不足するとため込まれた脂肪をエネルギーとして使えなくなります。そして、納豆に多く含まれるマグネシウムは血管を広げ血流を促す働きがあります。
東洋医学では納豆には、栄養を全身に巡らせ、老廃物を排出する働きがあると考えられていて、セルライト対策にも効果的な食材です。
ごはんの友として定番の納豆は、酢、ねぎ、梅、キムチ、チーズ、卵、アボカドなど、アレンジ次第で無限大に楽しめます。
スリムなからだを目指すなら漢方薬もおすすめ
脚痩せを効率的にしたい方には脂肪を落とす漢方薬がおすすめです。
その他「ストレスによって食べてしまう」「お腹周りや見た目の脂肪が気になる」「水太りやむくみがある」などのお悩みにこたえる漢方薬もあります。
漢方薬は、一般的に副作用が少ないとされ、自然由来の治療薬としてダイエット外来でも活用されています。
漢方薬は「血や水の巡りを促し、脂肪や不要物を排出する」といった多角的なアプローチで、太りづらいからだ作りを目指します。
普段の食卓で栄養のバランスを整えつつ、漢方薬でからだと精神のバランスを整えることで、無理なく理想の自分に近づくことができるでしょう。