今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
濁りと生成
今週のかに座は、未来を感じさせてくれるような、身体的兆候を見出していこうとするような星回り。
『少女充実あんず噛む眼のほの濁り』(掘葦男)という句のごとし。この場合の「充実」とは、身体性の深まりや、その結果としての存在としての輝きのことも指しているのではないでしょうか。
少女の眼の「濁り」は時間の経過とともに強まっていくものとして描かれている訳ですが、それは少女のなかでそうした攪拌や拒絶が起きていることの確かな証拠であり、作者はそこに未来をも感じていたはず。
あなたもまた、身体性の深まりを通して可能性を感じとったり、よりその可能性を押し広げたりしていきたいところです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
コズミックに在るために
今週のしし座は、周辺環境との「浸り」に身を任せていくような星回り。
イタリアの哲学者コッチャによると、植物の存在はそれ自体が、生命がコズミックな環境、すなわち浸透し浸透される世界に在ることが可能である、何よりの証左なのだと言います。
植物は自分たちを取り巻く周辺環境へと浸透することと、逆に浸透を受けることという、作用と受容の形式上の混合をたえず生きている訳ですが、これは人間においては水中に浮いていたり、泳いだりしているときに体験していることに近いかも知れません。
あなたもまた、何かを考えたり望んだりする以前の実践レベルにおいて、いかにコズミックに、すなわち「しなやかに」在れるかということが問われていくでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
まなざしの反転
今週のおとめ座は、知らずに自分の人生をどう創っていたかがあぶり出されていくような星回り。
『あなただあれなどと母いふ暑さかな』(竹内立)という句のごとし。文字通り相手の名前や正体を問いただそうとしているのか、それとも、コミュニケーションそのものを欲しているだけなのか。
後者だとすれば、幼い頃に自分を育ててくれた母親を、今度は自分が親になり替わって幼児のごとく世話している訳ですから、この世におけるバランスの在り方というのは本当に複雑怪奇にできていますが、子どもであるなら、できるだけ減点主義ではなく加点主義で接していきたいものです。
あなたもまた、何となくこの世界や他人に向けていた視点や感情が裏返って、自分の人生を創っていたことに気が付いていくことになるかも知れません。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
兆候と理想のはざまで
今週のてんびん座は、結果や効率を追求するのとは真逆の方向へと振れていこうとするような星回り。
2018年2月に青山で開催された「GROUND NO PLAN」展の展示場には、コンクリートの瓦礫が散乱しており、その瓦礫のあいだには何冊もの六法全書が打ち捨てられていました。会田誠は、その「宣言」のなかで、われわれには2階建てよりも高い建物がもはや必要ではないし、そうした建物の破壊は法そのものの廃棄に通じると訴えたのです。
3.11およびフクシマでの原発事故以後の時代状況を会田は、明らかにこれからの都市の在り方をめぐるビジョンを「文明そのものの終焉」から見据え直そうとしていたのでしょう。
あなたもまた、いったん自身の物事の見方を文明以前に戻すべく、リセットを試みてみるといいかも知れません。