神奈川県高座郡寒川町に鎮座する寒川神社は、八方除の守護神を祭る古社です。八方除とは?ご祈祷を受けた人のみ入苑できる神嶽山神苑とは?御朱印やお守りなど、訪れる前に知っておきたいあれこれをご紹介します。
寒川神社はどこにある?アクセスは?
寒川神社は神奈川県高座郡寒川町を流れる相模川の東側、厚木と茅ヶ崎の間に位置します。最寄り駅はJR相模線宮山駅で、駅からは徒歩約5分、車で訪れる場合は圏央道寒川北インターチェンジから約3分の距離。周辺には参拝者専用の駐車場も備わっています。
寒川神社の歴史と八方除について知りたい
拝殿横にある渾天儀(こんてんぎ)のレプリカ。天体の位置などを観測する器具であり、暦によって吉凶も占われた
創祀(そうし)年代は明らかではありませんが、雄略天皇(456〜479)の時代に幣帛(へいはく:奉献する供物の総称)があったと伝わります。御祭神は寒川比古命(さむかわひこのみこと)と寒川比女命(さむかわひめのみこと)の二柱の神様で寒川大明神と奉称しています。古くから関八州(江戸時代の関東八カ国)総鎮護の神、江戸の裏鬼門を守護する神社として信仰を集めてきました。
八方除の守護神として知られる寒川神社。八方除とは、地相・家相・方位・日柄・交通・厄年などのすべての厄災を四方(東・西・南・北)と四隅(北東・北西・南東・南西)のあらゆる方角(八方)から取り除き、福徳開運を招いて日々幸福に過ごせるよう祈願することです。
本殿を参拝、八方除のご祈祷を受けよう
三の鳥居とアーチ状の神池橋。拝殿へ続く神門までは大木に囲まれた参道を歩く
それでは参拝へ向かいましょう。三の鳥居をくぐり、石畳の参道を歩くと左手に手水舎があります。手を洗い、口をすすいで心身を清めます。
重層(二重)の神門は、もっとも格式が高い門とされる。門前の左右には大きな狛犬が置かれている
総檜造りの荘厳な本殿
手水舎で心身を清めたら神門へ。大きな提灯が掲げられた神門には、卯(東)、酉(西)、午(南)、子(北)と方位を表す干支が施されています。毎年12月21日から天皇誕生日まで、厄除けとしても知られる青森のねぶた「迎春ねぶた」が飾られ、夜間点灯も行われるそう。
神門をくぐり本殿へ向かい、本殿正面で参拝します。八方除のご祈祷を希望する場合は神門の横にある客殿で申し込みます。
御神域「神嶽山神苑」を散策してお茶休憩
神嶽山神苑の外門(入口)は本殿を正面にした左側、馬場を北へ上がったところにある(写真提供:寒川神社)
寒川神社にはご祈祷を受けた人だけが入苑できる「神嶽山神苑(かんたけやましんえん)」があります。本殿の奥に位置する御神域でかつては禁足地でしたが、2009年に池泉回遊式の日本庭園や茶屋、資料館を配した神苑として整備されました。
旧三之鳥居の基礎石で作られた手水舎の手水鉢
「神嶽山神苑」内は澄んだ空気がただよう、静寂な空間が広がっています。外門正面には「手水舎」、そして古来より本殿の真裏に位置する「難波の小池」があります。寒川神社の創建の起源に深く関わるもっとも神聖な場所なので、心を落ち着かせ、御神域に入ることへの感謝の気持ちを捧げましょう。
木々に覆われた小路を歩き、大明神を裏から拝する「裏参拝所」で手を合わせ、さらに進むと内門が見えてきます。この内門は厳粛な“真”の世界から、俗世“草”の世界へと変わる結界の役割もあるそうです。
内門の先は回遊式庭園が広がる別世界。正面の池に置かれているのは八方除の精氣がただよう「八氣の泉」。手水舎と同じ旧三之鳥居の基礎石を使用していて、ここから湧水が流れています。