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PMS緩和に。食事で「セロトニン」をコントロールする方法。女性の不調を解決するフェムテックって?

ライフスタイル

生理とともに訪れるPMSによる憂鬱な気分や、生理痛や貧血による体調不良は、女性の身体を疲れさせる一因。しかし最新データによると、生理にまつわるさまざまな不調を生活習慣や食事で改善できることが判明! データをもとにした改善策を実践し、不調を感じない快適な日々を手に入れよう。

*フェムテックとは
フェムテック(Fem Tech)とは、Female(女性)・Technology(テクノロジー)の略語で、現代のテクノロジーを駆使して、女性の健康にまつわる課題を解決するためのサービスやプロダクトのこと。近年、海外での市場が急速に拡大し、日本でも盛り上がりを見せてきている。

教えてくれたのは……

ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事 予防医療・栄養コンサルタント/細川モモさん
米国で栄養疫学と出合いInternational Nutrition Supplement Adviserを取得後、09年に日米の専門家チーム「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。母子健康をテーマとした共同研究を複数手がける。

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「生理で知っておくべきこと」
日本女性の生理の最新データと研究結果が掲載されたはじめての本。『生理で知っておくべきこと 自分の体を守る正しいデータを持てなかった女性たちへ』(日経BP)

医学博士 日本産科婦人科学会専門医 佐藤病院グループ 代表 産科婦人科館出張 佐藤病院 院長/佐藤雄一先生
最先端の不妊治療に従事しながら、年間1400件を超える妊娠出産の周産期医療にも携わる。女性の生涯にわたるメディカルアドバイザーであることをライフワークとし、予防医療の観点から食事や栄養、運動など生活習慣の大切さを指導。

食事で「セロトニン」をコントロール

PMSは、“ハッピーホルモン”とも呼ばれるセロトニンが減少することが一因だと言われている。不調の緩和には、「セロトニン」をコントロールすることが重要。まずは食事でできる対策方法を紹介。

「セロトニン」に効果的なこと

1. 朝ごはんを食べる

朝ごはんを食べる人は生理痛が軽いというデータがある。これは、心を落ち着かせてくれるホルモン「セロトニン」に大きな関係が。セロトニンは朝日を浴びると分泌されるので、早起きして朝ごはんを食べ、体内時計をリセットすることも重要。また朝食後は体温が一旦上がり、体温が上がると血液の流れもよくなるので、子宮の健康にもつながる。

2. マグネシウムは積極的に摂る

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マグネシウムは「ミネラルの王様」と呼ばれ、筋肉を収縮したり食べたものをエネルギーに変えるなど、生命維持に関わる大事なミネラル。マグネシウムが足りている女性は2割程で、ほとんどの女性が不足状態。またPMSの緩和に不可欠な、セロトニンをつくるために必要な栄養素でもある。マグネシウムを多く含む和食を中心にして積極的に摂取を。

3. カフェイン摂取量を調整

カフェインは摂取したマグネシウムや鉄分、カルシウムなどを身体の外に出してしまう作用があるので、摂りすぎは栄養不足の原因に。1日コーヒー2杯(カフェイン量は約300mg)程度に控えて。紅茶・緑茶・ウーロン茶のカフェイン量はコーヒーより少ないものの、タンニンが多いので栄養の吸収を妨げることに。食事中は避けよう。

4. 添加物の摂りすぎに注意

食品に含まれる添加物の中には、栄養を身体の外に出してしまうものもあるので、多量に摂取しないよう気をつけたい。かまぼこなどの練り物に含まれるリン酸塩という添加物はカルシウムとマグネシウムを体内から出す働きが。ソーセージなどの加工物に添加されるポリリン酸は亜鉛の吸収を妨げることも。通常甘いものを食べるとセロトニンが分泌されるが、甘いのに摂取してもセロトニンが出ない人工甘味料のアスパルテームも摂りすぎに注意。

5. ビタミンB6でセロトニンを増やす

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セロトニンの材料になるのは、トリプトファン(アミノ酸の一種で必須アミノ酸のひとつ)とビタミンB6と炭水化物。ビタミンB6などが多く含まれる魚・バナナ・キウイ・イチジクなどのフルーツ・納豆などの大豆・アーモンドなどのナッツ類・鶏肉などの肉類を積極的に食べよう! 糖質を摂るとセロトニンの取り込みが増加するので、炭水化物も重要。

illustration:Lily attic  edit&text:Misako Noguchi re-edit:Kaori Hasegawa

kiitos. vol.21より抜粋

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