「お菓子作りは科学!」とも言われるように、料理と違って細かな計量や技術が必要なお菓子作り。一度失敗すると「もう作りたくない……」なんて気持ちにもなりかねません。今回は、パティシエの筆者が「お菓子作りの失敗あるある」をプロの技で解決します!
muccinpurin
お菓子作りって、むずかしい!?
料理と比べてお菓子作りは、細かな計量や専門の技術を必要とするため、失敗も多いかもしれません。一度失敗すると、また同じことを繰り返すのが怖くなって、お菓子作りから遠ざかってしまうことも……。
しかし、失敗したポイントや、ちょっとしたコツさえ押さえれば、みるみる成功するのもお菓子作りの面白いところ。
今回はパティシエの筆者が「お菓子つくりの失敗あるある」をもとに、その原因と解決法を詳しくご説明します!
お菓子作りをはじめる前に…?
お菓子作りの失敗は、準備段階である程度防げます。準備のポイントをいくつかご紹介します。
1. 計量はしっかりと!
基本中の基本ですが、材料はしっかりと計量しましょう。作り始める前に、足りないものがないか確認します。作業中で足りないものが出てきても、生地の状態は刻一刻と変わるため、待ってはくれません。
粉をふるったり、型紙を用意するのもこの段階で。
2. 型選びは慎重に!
あとで説明しますが、お菓子作りには型選びがとても大切。型ひとつで成功と失敗が決まるといっても過言ではありません。
安いからと言って適さない型を使うと、失敗の原因になります。お菓子作りを長く楽しみたいなら、ある程度の初期投資も必要です。高価なものでなくても、大きさや材質など、しっかりと適した型を選びましょう。
3. 「応用」「代用」は慣れてから
材料が足りない場合、ほかのもので「代用」することもあると思いますが、これはかなりの確率で失敗に繋がります。その材料を使うことにはきちんとした意味があり、代用できるものとできないものがあります。
同じように、型のサイズを変えたり、味を変えたりする「応用」も、慣れないうちは避けたほうが無難です。
それではさっそく、お菓子別に悩みを解決していきましょう!
1. スポンジケーキ
Q1. スポンジがうまく膨らまない…
スポンジには全卵を一度に泡立てる「共立て法」と、卵白・卵黄を分けて泡立てる「別立て法」があります。いずれも卵にグラニュー糖を入れて泡立てて、最後に牛乳と溶かしたバター、ふるった粉の順に混ぜます。
よく言われることですが、最後の粉の混ぜ方は「さっくり」が基本。さらに言えば、あらかじめふるった粉をボウルに入れるときは、再度ふるいながら全体に少しずつ振り入れるのが理想です。できればひとりは混ぜながら、もうひとりに粉を振り入れてもらうのがベスト。
できあがった生地を型に流し、ボウルに残った最後の生地をゴムベラで熱心に集めて型に入れるのも、実はうまく膨らまない原因。よく見ると生地の中の気泡がなくなり、色が変わっています。残った生地を型に流したら、ゴムベラでなでてまわりの生地となじませましょう。
Q2. 焼き色にムラができてしまう…
同じ機種のオーブンでも、必ず「クセ」があります。奥が強かったり、下が弱かったり……。こればかりは何度も焼いて、自宅のオーブンのクセを理解して、うまく付き合うしかありません。
タルトやパイの場合、見た目の焼き色が大切ですが、クリームを塗ってデコレーションするスポンジケーキの場合、そこまで焼き色を気にする必要はありませんよ♪
2. プリン
Q1. プリンに「す」ができてしまう…
プリン作りの失敗あるあるのナンバーワンが、表面にできてしまう「す」。見た目が悪くなるばかりか、口当たりが悪くなってしまう、おいしいプリンの敵です。
使う容器は熱の伝わりがゆるやかな陶器や、耐熱ガラスがおすすめ。さらに、湯せん焼きをすることで、熱をゆっくりと伝えることができます。できればプリン液が入った高さまで、しっかり湯煎できる容器を使いましょう。
さらに、プリン液ができたら一度目の細かいザルで漉し、しばらくそのまま置いておきます。すぐに流すと液の中の気泡が「す」を作る原因に……。静かに型に流して表面に泡ができたら、しっかりと取り除きましょう。