今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
エモに彩られて
今週のさそり座は、思いがけないところで始まるからこそ情愛なのだと、思い知っていくような星回り。
『踏絵にて親しくなりし人の数』(中原道夫)という句のごとし。踏絵で大勢の人がやってくると、行列がつくられたり、何かと袖が触れ合う機会も出てくる。それがきっかけで、縁ができて連絡しあうようになったり、カップルになった人もいるだろう。
本来の目的や建前とは違ったところで不意に情が動いたり、本音が漏れ出してしまうのも、今も昔も変わらない人の性(さが)というものでしょう。
あなたもまた、頭で考えていたのとは違った方へと思わず手や足や腹や胸が動き出していくのを、まのあたりにできるかも知れません。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
待つのをやめてみる
今週のいて座は、資本主義社会において、「アジール」的文脈の形成をはかっていこうとするような星回り。
宗教学者の鎌田東二は、平成以降の日本社会は地縁や血縁など、人々の存在を社会に基礎づけるさまざまな縁の解体がますます進行しているという意味で、現代日本社会は「中世化」しているのではないかと述べていました。
どうすれば現代社会において、心身への脅威の少ない平和の場としてアジール作りと、その内部での責任の生成を両立させうるのか。それには、“賃金+それ以外の対価”がきちんと支払われる場であることや、「感情労働」の過剰要求だったり、やりがい搾取のないことも重要になってくるように思います。
あなたもまた、自身のキャリアや活動をそうしたアジール形成という文脈で捉えなおしてみるといいかも知れません。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
出入りの活性化
今週のやぎ座は、予感を“音楽”に変えるための訓練をひそかに行っていくような星回り。
『ああ春はまだ暗がりに置くピアノ』(中山奈々)という句のごとし。春はまだその本領である出会いと別れの交錯を演出するほど暖まっても潤んでもおらず、ピアノの周りにはそれを演奏する者も、音楽に耳を傾ける聴衆もいない。そこにあるのはただ空白と、それを無意識に埋めるうっすらとした予感の「ああ」。
いつどこから湧いてきたのかも分からないような「ああ」は、そのまま頭の中で音楽になる。それが実際にいつ演奏されるかは分からないが、そうして目に見えない楽譜のようなものが身体から溢れてきたときこそ、春は訪れるのではないでしょうか。
あなたもまた、自然に身体から流れ出していくように予感を蓄積していくべし。