臨床心理士・公認心理師のyukoです。あっという間に2月も終わり、3月には春休み、4月からは新年度が始まります。そんな中で勉強せずにだらだらしている子を見るとイライラして「4月からの勉強についていけなくなるよ」とプレッシャーをかけてしまいたくなるときも。闇雲に叱るのではなく勉強をしない理由を理解し、タイプ別の対応をしていくのが大切です。3つのタイプに分けて、考えていきます。
親の心配をよそにゲームばかりの子どもにイライラ...
「他の子はもう準備してるよ」
「中学になると勉強難しくなるから困るよ」
もうすぐ新年度だというのにゲームばかりしている子どもを見ると、「勉強しなさい!」と言いたくなりますよね。
中学での勉強についていけるのかな。
高校進学に向けて勉強の癖を身につけられる?
親の不安は募っていく一方、何を言っても子どもに響かないとイライラしてくるもの。
勉強しない子と一言に言っても理由は様々。タイプ別に対応を考えてみます。
タイプから考える、勉強しない子への関わり方
勉強に興味が持てない子
どうしても勉強に興味を持てない子には、周囲が無理に詰め込もうとしてもあまり意味がありません。
そんな子の場合は、一度気持ちを切り替えて、興味を見つける・深めるところからです。
・児童書が充実している本屋・図書館に足を運ぶ
・高校や大学の学園祭に足を運ぶ
・子どもが好きな分野(恐竜や電車など)の博物館に行く
・プログラミング・eスポーツの体験プログラムに参加してみる
机上で行う5教科の勉強だけが、勉強の全てではありません。
「知る楽しさ」や「憧れに近づく嬉しさ」などの経験が、学習への動機を高めます。
遠回りに見えても、糸口となる興味関心に目を向けるところから始めてみてください。
勉強ができないから嫌いな子
わからないことばかりで、勉強に全くついていけていないと、嫌になるのも当然。
勉強についていけていない子の中にも、「わからないことがわかっている子」と、「わからないことがわからない子」がいます。
親が子どもの目線に立って、ひとつずつ教えるのはなかなか難しいもの。
「なんでこんなのもわからないの?」などと感情的になってしまう親御さんも多いです。
勉強ができず叱られた経験が積み重なると、さらに嫌いになってしまいます。
そんな子の場合は、個別指導や家庭教師など、外部に委託するのがよいかと思います。
どこから躓いているのか、何から手をつければよいのか。
指導のプロに客観的に見てもらう必要があるからです。
塾というと、より高みを目指す子が行くものと思われがちですが、勉強嫌いの子こそ、専門家に寄り添ってもらいながら学習する経験が肝心です。
勉強の意味が見出せない子
微分積分が何の役に立つの?
長い文章を読んで作者の意図を考えることに意味ある?
そう言い返されたとき、上手く答えられず「屁理屈言わずに黙って勉強してなさい」とあしらってしまうのは要注意。
「勉強=役に立たない楽しくないもの」というイメージがさらに固まってしまいます。
学校で習う勉強には、やはりそれぞれ意味があります。
国語からは「文章を正しく理解し、要点を捉える読解力、人の心情や背景を理解して慮る力」の基礎をまなび、コミュニケーション全般に役立てます。
数学からは、「根拠に基づいて論理的に思考する力」の基礎を学び、筋道を立てて解決する方略を身につけていきます。
「それぞれの学習にどんな意味があるのか」、まずは大人が知っておく必要があるんですね。
その上で、子どもにわかる言葉で大人の経験を伝えていくのが役立ちます。