今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生活の知恵のその先へ
今週のさそり座は、みずから体を張って気になる身近なテーマを実験・検証していこうとするような星回。
生物学者E・O・ウィルソンは、『嘘と孤独とテクノロジー』の中で、若い人への教育に対して、「基礎の部分にたくさんの時間を使うのは無駄です。順序を逆にして、まず実際の研究にとりかかる所から始めたほうがいい」と述べています。
例えばそれは、ある昆虫が絶滅してしまうとそれがどんな波及的効果を環境にもたらすのかとか、自身の暮らしている範囲の自然環境を健全に維持していくためには一体どれくらいの種類の生物に関与してもらう必要があるのか、といったことでもいいでしょう。
あなたもまた、自分なりの経験則や体感を真の「生活の知恵」へと掘り下げるために、いま自分には何ができ、何に興味があるのか、改めて明確にしていくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
見えにくい徳性の輝き
今週のいて座は、みずからの魂の似姿をしずかに確認していくような星回り。
『豹よりも虎美しき弥生かな』(大内史現)という句のごとし。「弥生」は3月の旧暦時代の呼称で、新暦ではまさに百科爛漫の時期であり、そんな華やぎの中で見る猛獣はさぞかし美しいのだろうと考えてしまうのも人の常です。
とはいえ、豹と虎のどちらがより美しいかと問えば、そこにはその人なりの審美眼が必ず現れてくるはず。「弥生かな」というじつに抑制のきいた措辞によって、一気に高まった華やぎは見事に内に秘められていきます。
あなたもまた、鋭い直観で感じとったことほど鍛えてきた知性で包んでそっと納めていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
データベースを探っていく
今週のやぎ座は、脳の優位性を左脳から右脳へといったん明け渡していこうとするような星回り。
日本人は「神」をどこかで客観的実在として捉えているようなところがありますが、アメリカの心理学者ジュリアン・ジェインズは1976年に刊行した『神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡』の中で、「3000年前の人類はまだ意識をもっていなかった」し「古代人にとって神とは集合的な経験知の蓄積の発動だった」という仮説を発表し、大きな反響を呼びました。
ヨーガ指導者の成瀬雅春によると「『神の声が聴こえた』というのは、自分の中にあるデータから引張り出したということ」で、ヨーガで瞑想するのも、「要するにデータベースを探っていく」ということであり「一番必要なことは何でも自分の中にある」とのこと。
あなたもまた、同じ言語や習慣の上に蓄積されてきた集合的な経験値にアクセスしていくことで、自分なりの「神様の声」を生成していくことができるという視点を大切にしていきたいところです。