食事作りや掃除、洗濯など毎日行う家事。その負担が大きすぎると、「なんで私ばかり……」と感じることも多いもの。そんな家事がきらいになる理由には、「やらされてる感」があるから、というのは「時間を貯める」という概念を提唱する『時間が貯まる 魔法の家事ノート』の著者、三條凛花さん。家事の「やらされてる感」が特に生まれやすい人の特徴について教えてもらいました。
「やらされてる感」は、家事のやる気を奪う大敵!
私は、家事に関する書籍をいくつか出しています。
そのため、さまざまな人から「家事」についてのお話を聞く機会があるのですが、「家事がきらい」と悩まれている方がとても多いです。
私自身はそのときどきによって「嫌だなあ」と思ったり、「楽しい!」と思えたりします。だから「家事が大好き!」とも「家事がきらい!」とも言い切れずにいました。
その理由と向き合ってわかったことが! それは「家事」がきらいじゃなくて、その背後にあるなにかがきらいなのでは? ということです。
さまざまな要因がありますが、今回紹介したいのは、根深くやる気を奪う「やらされてる感」についてです。
家事の「やらされてる感」とは?
家事をしているとき、「なんで私ばかり」「頑張っているのに」などの思いを持ったことはありませんか?
もしこんな思いを1つでも感じていたら、「やらされてる感」はきっとあなたの中にもあります。
家事の「やらされてる感」が生まれる理由
家事をするときに、「やらされてる感」が生まれる理由はとてもシンプルです。それは、あなた自身が望み、自分で選んで家事をしているわけではないから。
私たちの人生は、選択の連続です。
多くの場合は、いくつかある選択肢から自分で選択することができます。
でも家事に関しては別です。日々を快適に過ごそうと思うと、「やる」を選ぶしかない。自分に向いていなくても、自分がやらなければいけない環境が多いと思うのです。
だから、「やらされてる感」が生まれます。
もちろん、家事にも「やらない」という選択肢は存在します。
たとえば、便利家電を使う、家事代行に丸投げしてしまう、適当な家事でいいと決める……といったことです。
でも、これらを選べるのは、私が知っている限りほんのひと握り。
「(完全に)やらない」方法にはお金がかかるからです。
また、「適当でいい」という選択肢には家族の理解が必要です。自分の負担を減らすために「適当にしよう」と決めても、パートナーや両親などに「きちんとするべき」と諭されてしまう人も多いのではないでしょうか。
このように、自分ではどうしようもないやるせなさで、がんじがらめになってしまう……。これこそが、家事に抱く嫌悪感の一端なのだと私は考えています。
家事の「やらされてる感」が特に生まれやすい人の特徴
これまでたくさんの人のお話を聞いてきたところ、家事の「やらされてる感」が特に生まれやすい人には、こんな特徴があるとわかりました。
私もいくつか当てはまっています。だからこそお伝えしたいのですが、環境や家族の考え方を変えるのはむずかしいです。その代わりに「自分の姿勢」を変える2つの解決策をおすすめしています。
解決策1 家事を目的にしない
1つめの解決策は、「家事そのもの」を目的に動くのをやめることです。
なるべくなにか「わくわくする要素」や「楽しく追い込まれる要素」と組み合わせるようにします。かけ算をイメージするのがコツ。
たとえば、私はアイロンがけを週1~2回まとめて行ないます。かなり時間がかかるきらいな時間でした。でも、そのときに映画やドラマを観るようにしたら楽しめるように。
季節行事の飾り付けや行事食は、部屋を飾るついでに片づけをがんばれたり、行事食をつくるついでに冷蔵庫掃除をしたりと、「+1家事」を加えると楽しく捗ります。
また、SNS投稿を目的にするのもおすすめです。特にSNSのような人の目がある場所で事前に宣言しておくと、もし誰も見ていなかったとしても、自分の中には「やらなくちゃ!」という気持ちが生まれ、達成しやすくなります。これを心理学で「宣言効果」というそうです。