国民年金:満額年金額×(保険料の納付月数÷480ヶ月)
厚生年金:報酬比例部分(A)+経過的加算(B)+加給年金(C)
A:報酬比例部分は過去の平均標準報酬額(※1)と加入期間に応じて算出。2003年3月までと2003年4月以降に分けて計算します。
2003年3月までは、平均標準報酬月額(※1)×7.125(※生年月日が1946年4月2日以降の場合)÷1000×2003年3月以前の加入月数
2003年4月以降は、平均標準報酬額(※1)×5.481(※生年月日が1946年4月2日以降の場合)÷1000×2003年4月以降の加入月数
※1「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」については、日本年金機構のホームページでご確認ください。
B:経過的加算とは、65歳から支給される老齢基礎年金額が64歳まで支給される特別支給の老齢厚生年金(※)の定額部分より少ない場合に支給されるものです。
経過的加算の額=特別支給の老齢厚生年金(※2)の定額部分の額−老齢基礎年金の額
※2「特別支給の老齢厚生年金」についての詳細は、日本年金機構のホームページでご確認ください。
C:加給年金とは、厚生年金の加入期間が20年以上あり、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で扶養している配偶者や子がいる場合などに加算されます。
上記のA、B、Cを足したものが老齢厚生年金の額ですが、計算が複雑なので、まずはねんきん定期便やねんきんネットで確認するとよいでしょう。
貰える年金の額が少ない場合の対処法
貰える年金額を試算した結果、老後の生活費が心配な場合は、年金の額を増やす方法も検討してみてください。特に国民年金のみに加入している場合は、将来の年金額が少ない可能性があるため、積極的に考えることをおすすめします。
年金額を増やす主な方法は以下のとおりです。
・繰り下げ受給をする
・任意加入制度を活用する
・付加年金を上乗せする
・国民年金基金に加入する
・iDeCoや個人年金保険などの私的年金を利用する
など
繰り下げ受給とは、本来は65歳から貰える年金の受給開始時期を遅らせることにより、受給額を増やす方法です。また、任意加入制度は、保険料納付済期間が満額に足りないなどの場合に60歳を超えても年金に加入できる制度です。
付加年金とは、個人事業主などが国民年金保険料にプラスして月額400円納付することにより、受給額(年額)に「200円×付加保険料納付月数」が上乗せ支給される制度。国民年金基金は、同じく個人事業主などが加入できて、上乗せ支給される制度です。ただし、付加年金と国民年金基金は選択制で、どちらか一方のみ利用できます。
iDeCoは一定の要件を満たすことで加入できる個人型確定拠出年金であり、個人年金保険は民間の貯蓄型保険商品です。
まとめ
国民年金の平均受給額は2021年度(令和3年度)で5万6,368円、厚生年金の平均受給額は月額14万5,665円です。ただし、実際に貰える額は年金の加入期間や年齢、給与などによって変わります。
将来貰える年金の額を調べるには、ねんきん定期便やねんきんネットなどで確認するのがおすすめです。年金が足りないと感じる場合は、付加年金や国民年金基金などで増やす方法を検討しましょう。