isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
はねてひらく
今週のおひつじ座は、葛藤が極まっていくなかで一つのブレイクスルーを果たしていくような星回り。
『炎昼を抜けきて鶏の首はねる』(源鬼彦)という句のごとし。作者は昭和18年樺太生まれで、掲句は20歳のときの作。日本中が東京オリンピックムードの中、このまま自分は田舎に埋もれたまま一生を過ごすのだろうか、と焦燥と不安の日々を過ごしていたのでしょう。
そんなある日、鶏の首をはねることになった。それは生活上の何気ない一幕だったにも関わらず、真夏の昼下がりに返り血を浴びて立ちすくむ作者の姿に、読者としてもまさに非常に強い葛藤を受け取らざるを得ないはず。
あなたもまた、今後の人生の展開を支えるためにも、今の自分に払えるだけの犠牲を払っていくべし。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ギシギシ>ふわふわ
今週のおうし座は、人としてどこか未熟で、スマートなんかではなくても、愛をぶつけていこうとするような星回り。
1992年に村上春樹が発表した長編小説に、『国境の南、太陽の西』という作品があります。
主人公は一人っ子という育ちに“不完全な人間”という自覚を持ちながら、成長と共にそれを克服しようとするのですが、たしかに村上が描くその人生展開はどこまでもフラットで、ねじれがありません。すなわち、人が世間に「もまれる」場所、善と悪とが泥沼になって足を取られるような、大人になる上で通過する中間領域が消失してしまっているのです。
あなたもまた、愛を伝えていくためには他者とどう関わっていくべきかということが問われていくでしょう。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
静謐さの密度
今週のふたご座は、こちらの小賢しさを超えてくるものを受け入れていこうとするような星回り。
『百日紅通る人なき時刻かな』(蓬田紀枝子)という句のごとし。この句は、コロナ禍で自粛が呼びかけられていた時期に詠まれたもの。
しかし、室内に閉じ込められている物憂さを誰かどこかに乱暴にぶつける代わりに、そういう状況だからこそ見えてきた自分を持て余しているような百日紅の姿にじっと目を留めることで生まれた掲句には、おのずと詩情を湛えているように感じられるはず。
あなたもまた、自分から積極的に働きかけていくのではなく、あちらからふっとやって来るものにじっとまなざしを向けていくべし。