今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
頭よ頭、空(から)になれ
今週のさそり座は、みずからの転機に思い当たっていくような星回り。
『昇降機しづかに雷(らい)の夜(よ)を昇る』(西東三鬼)という句のごとし。昭和12年の作で、一見すると都会的ながらどこか暗い情景を淡々と詠みあげている句ですが、じつは作者が特高警察に検挙される原因となった句でもあります。
これは冤罪事件でしたが、この句が一時的に作者の俳句活動を停止せしめたという点で、まさに神の怒りのごとき“雷の一撃”となったこと、そして戦後に自由となって、俳句活動を再開する中で新境地を開いていったことなどを鑑みると、暗雲立ち込める天へと昇っていった「昇降機」という表現で、作者の運命を予言した一句だったとも言えるのではないでしょうか。
あなたもまた、自分がこれからどこへ向かっていこうとしているのか、無意識に察知していくようなことがあるかも知れません。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
異なる自分への再構成
今週のいて座は、ひとつの信念として両性具有を目指していこうとするような星回り。
インド独立運動のシンボルとして活躍したガンディーは、非暴力的な政治闘争を展開するにあたって、まず自身の妻との性的関係を断たなければならない、と考えたという点で非常に独創的な人物でした。彼は性愛と暴力性とを一つのものと考えていた訳です。
こうした発想は、おそらく仏陀にまで遡るように思われます。
あなたもまた、女でもあり男でもあるというような姿へ向かっていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
暗い自然のお友達
今週のやぎ座は、感情という綱をギューッと引いていこうとするような星回り。
『われ病めり今宵一匹の蜘蛛も宥(ゆる)さず』(野澤節子)という句のごとし。脊椎カリエスにかかり、生死の瀬戸際にありながら床に伏すことしかできない日々を過ごしてた作者が、その鋭いまなざしで自己を凝視してみせた一句。
「今宵一匹の蜘蛛も宥さず」という度を越した字余りには、周囲への体面や遠慮など一切をかなぐり捨ててでも、再びいのちをこの手につかみとってやろうという鬼気迫る念力のようなものが感じられてなりません。
あなたもまた、そうした激しい感情を差し向けられる縁に思いきりコミットしていくべし。