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子どもにカミングアウトされたら。どんな親にもできる、愛にあふれる接し方

イギリスから取材に応じるKanさん
OTEMOTO

20年ほど前と比べると、日本でも少しずつではありますがLGBTQへの理解が進んでいます。ですが、大切な我が子のこととなると、率直には受け止めきれないこともあるかもしれません。Kanさんも、「僕は親になった経験がありませんが、他人の場合と自分の子どもの場合とでは話が違うととらえてしまうことも理解できます」と話します。

では、もし我が子がセクシュアリティやジェンダーに悩んでいることに気づいたら、またカミングアウトをされたら、どのように接することが子どもの希望につながるのでしょうか。

「親御さんには、ご自身の気持ちがどこから来るのかを一度立ち止まって考えてみてほしいです。受け止めるにせよ、否定的な感情が湧き上がってしまったにせよ、まずは冷静になって考えてみること。『子どもの将来が心配』など、その気持ちを紐解くとさまざまな思いがあるかもしれません。ですが、問題の根源はお子さん自身ではなく、それを受け入れづらい社会にあるのです」

「感情的になって反応してしまうと、お子さんも心を閉じてしまい関係性を築きづらくなる可能性もあります。まずは『わからないから一緒に考えよう』『一緒に調べてみよう』といった率直な感想でもいいので、可能性を閉じるのではなく広げられるような接し方をすることが大事なのではないでしょうか。勉強や部活、学校での人間関係の悩みもある中で、さらにセクシュアリティについても悩むことはとてもつらいことです。ネガティブな言葉で、さらに不安にさせるようなことは避けてほしいですね」

2019年には、当時の英国王室のウィリアム王子(現、皇太子)が記者から「もし子どもが同性愛者だったら?」との質問を受け、「全く構わない」と回答したことが話題となりました。親は「全能」ではありませんが、子どもの自分らしさを受け入れようとすることはできます。ひとりひとりを尊重する社会の実現には、そんな親のアプローチが大きなカギとなるのかもしれません。

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