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占い

今週のみずがめ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

因縁とその素材

今週のみずがめ座は、不思議な因縁とも言うべきものを味わっていこうとするような星回り。

岡本かの子の遺稿として発表された、『家霊』という小説。都心で繁盛しているどじょう屋「いのち」へ老人の彫金師が来て、どじょう汁の出前を注文する。この老人は、いつも“つけ”で食べており、店の娘は彼の魔術的な弁説にほだされ、またつけで食わせるはめになってしまう。それ以降、老人はだんだんと痩せ枯れながらも、毎晩必死にどじょう汁をせがみに来る。

ただそれだけの話なのですが、この背景には、どじょう屋に棲みつく家霊が関係しているようなのです。娘の母もまた、家霊である薄暗い女の諦念にいつの間にかそそのかされて、払うはずのないつけで食わせていたと。そして老彫金師のたかりにも、ただならぬ妖気がたちこめており、それがこの小説の核なのです。

あなたにとって、もし老彫金師にとってのどじょう汁にあたるものがあるとすればそれは何か、考えてみるといいでしょう。

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今週のうお座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

自分より大きなものに満たされて

今週のうお座は、不在であるがゆえに臨在しているという感覚に励まされていくような星回り。

『芭蕉庵桃青は留守水の秋』(秋篠光広)という句のごとし。当時の旅に舟は欠かせない交通の便であり、最後の旅をもとに記された『おくのほそ道』も最初は舟にのるところから始まっていきます。

作者は秋になって澄んだ水の流れを見つめるうちに、不在のはずの芭蕉の“臨在(そば近くにあること)”を感じ取ったのであり、芭蕉の志を継いでいけるような自分自身をハッとそこに掴んだのかも知れません。

あなたもまた、自分にそっと染み渡り、後押しをしてくれるような「空白」をこの世界の内に見つけていくべし。

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