isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
魂の静寂を求めて
今週のおひつじ座は、「一人でいる時だけしか湧いてこないもの」を研ぎ澄ましていくような星回り。
ダンテの『神曲-地獄篇』では、実際に作者の分身である主人公が、地獄の底で内なる対話を交わしつつ少しずつ手探りで歩を進めていきます。
『神曲』を執筆した当時のダンテは、政治抗争で敗れ故郷フィレンツェを追われた孤立無援状態でしたが、そこで自暴自棄になることなく、おのが半生を振り返りつつ文学史上に不朽の名声を轟かすことになる畢生の大作の執筆を始めたのですから、人生何がどう転ぶのかは最後まで分からないものです。
今週のおひつじ座もまた、そんな人生の岐路にふと差し掛かっていくかも知れません。くれぐれもそこで腐らず、暗い胸の闇路をとことん辿って、とことんまで余計に入った力の緊張を叩き出してやるくらいのつもりで行くといいでしょう。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今ここに留まるために
今週のおうし座は、離れてゆく隙間を埋めようと自分から動いていこうとするような星回り。
『水澄むやあとはバトミントンでいい』(宮本佳世乃)という句のごとし。バトミントンなんて遊びを遊びとして成立させるには、かなりの体力(余力?)と我慢強さ、そして何より親密さが必要とされますし、大人同士の表面的なお付き合いの文脈にはまず入ってくる余地のない選択肢でしょう。
逆に言えば、そういう遊びをあえて要求している思いきりだとか、秋という季節感に抗ういじらしさみたいなところが掲句の魅力なのだと言えます。
あなたもまた、大人らしい付き合いに精いっぱいの抵抗を試みてみるべし。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
井戸を掘る掘る、掘る
今週のふたご座は、自分を自分たらしめている「深い根」を確かめていこうとするような星回り。
「バルカンのパスカル」と呼ばれた20世紀を代表する思想家エミール・シオランは肩書きによるカテゴリー以前に、一個の巨大な反抗者であり、私たち人間の業のような憎しみや残酷さなどをたじろぐことなく凝視した点において突出した存在でした。
たとえば、『悪しき造物主』と題された著書の「扼殺された思い」という章では、「愛することではなく憎むことをやめたとき、私たちは生きながらの死者であって、もう終わりだ。憎しみは長持ちする。だから生の<奥義>は、憎しみのなかに、憎しみの化学のなかに宿っているのだ」と述べられています。
あなたもまた、こうしたシオランのなんとも静謐で、自己自身を見つめた言葉に沿って、おのが井戸に引きずり込まれていくべし。