今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
逆算に偶然をまぜていく
今週のかに座は、「風が吹いたら桶屋が儲かる」ような流れを自身で体感していくような星回り。
『おもひ出て酢つくる僧よ秋の風』(与謝蕪村)という句のごとし。
山寺のお坊さんが、秋の風を感じながら酢をつくっているのだという。「おもひ出て」というのは、急に思い立ってということですから、なんとなく涼やかな気配を感じて、「あ、今日は酢をつくろう!」となっていそいそと仕込み始めたのでしょう。
あなたもまた、先々の事態に向けた準備を始めつつ、目の前の工程ひとつひとつをできるだけ楽しんでいきたいところです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
喰らい、喰らわれ、絡み合う
今週のしし座は、ただただ飲み食いを堪能し、英気を養っていこうとするような星回り。
第一次大戦後のパリには、まだ無名の若いアメリカ人の作家希望者たちが集まり、日々の暮らしを楽しみながら、来たるべきアメリカ文学の黄金時代の土台固めをしていました。中でも、ひときわ輝かしい存在であったのが、アーネスト・ヘミングウェイでした。
彼が不幸な自殺を遂げた後、遺作として発表された『移動祝祭日』には、このパリ時代の思い出を回想しつつ、当時の溜まり場での生き生きとした描写を綴っています。
あなたもまた、存分に味覚的体験世界を深めていくべし。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
境地を深める
今週のおとめ座は、孤独で豊かな作業に打ち込んでいこうとするような星回り。
『木曽路行ていざとしよらん秋ひとり』(与謝蕪村)という句のごとし。前書きには「故人に別る」とあります。故人というのは作者の親しい友人のことであり、その友人が世を去ったというのです。
作者は友人との別れに接して、もっと自分に与えられた人生の限られた時間、このひと時をひとり味わって、しっかり深めようと決意しているのでしょう。
あなたもまた、ただ年を取るのでなく、みずからの内的な渇きに時の方を寄らせていくべし。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
わんわんお
今週のてんびん座は、「こころ」で感じるとはどこでどのように感じることなのか、確かめていくような星回り。
自然との関わりは、大抵の場合まず目から入ってくる視覚的情報から始まります。すると、眼筋をはじめとするもろもろの筋運動がそれに連動する。
しかし、解剖学者の三木成夫の言い方を借りれば、これは外皮上の感覚や神経伝達、筋肉の運動などの「体壁系」の出来事であり、「こころ」で感じるとは、はらわたを伝わってくる内臓波動と共鳴するということなのだそう。
あなたもまた、あたまで考えたことよりも、そうして内なる小宇宙の波にこそしたがってみるといいでしょう。