尾池哲郎
こんにちは、尾池哲郎です。研究が仕事の工学博士です。
今回、マイナビウーマン編集部から、定説でいわれる「男性が喜ぶ“さしすせそ”は本当に効果があるのでしょうか?」との質問をいただきました。
この質問からある「疑念」が生まれ、そこから男女間に横たわる重大な「ズレ」がわかってきました。
その発見をもとに、今回は「本当に男性が喜ぶフレーズ」を導きます。
男性が喜ぶ「さしすせそ」に見る男女のズレ
私はこの「さしすせそ」を今回はじめて知りました。たしかに効果がありそうな言葉ばかりです。
・さ=さすが
・し=知らなかった
・す=すごい
・せ=センスいい
・そ=そうなんだ!
しかし私は言葉の効果よりも、編集部からもらった冒頭の質問に興味を感じました。
ご存知のとおり男性は単純です。だから、これらの言葉は当然絶大な効果があります。
さらには「あいうえお」だってすぐ思い浮かびます。「ありえない」「いいね」「うれしい」「えらい」「おーまいが!」。
「さしすせそ」フレーズと一体どこに差があるのでしょうか? そう、ありません。
どれも当たり前に男性は喜ぶのです。つまり男性にとって言葉はなんでもいいということ。
男性脳に直撃するのはむしろ言葉の抑揚、トーン、そして女性の表情なのです。
男性脳に直撃する「語感」とは?
女性は言葉を「選ばなければならない」と考えているフシがあります。
ケースごとに「どんな言葉を選べば、単純な男性を喜ばせることができるのか?」を試行錯誤しているのです。しかし、言葉を選ぼうとした時点で、その気遣いはおそらく方向性を間違えています。
それが、今回の質問で判明した男女間の「単純さのズレ」です。
「男性ってほんとに単純でバカなんだから」
女性は男性の単純さをとりあえず理解した気になり、同時に、男性は女性が自分の単純さを理解してくれたと勘違いしています。
男性の単純さは、女性の想像をはるかに超えている
しかし、残念ながら男性の単純さは、女性の想像をはるかに超えています。
女性は男性の本当の単純さにまだ気がついていない。男性の気を惹きたいなら、それを前提に考えるべきです。
女性にとって言葉とは「発音と意味」がセットです。
なぜならそれが言語の正しい理解だからです。しかし上述したように、男性にとっては「さしすせそ」も「あいうえお」もどれも同じ。
語感のわかりやすい例は「オノマトペ」
男性は女性の想像をはるかに超えて単純。つまり男性にとっては「語感」だけが言語なのです。
典型的な例がもっとも単純な語感である「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)」。
少年格闘マンガはオノマトペだらけです。「ドカーン!」「ズドドド!」「うわー!」場合によってはオノマトペで会話が成り立ちます。「(俺の勝ちだぜ)バーン!」「(気にすんなよ)ふっ」。男性脳が期待しているのは、言葉の選択ではなく、語感なのです。