ストレスの緩和やリラックスに最適な「ムードフード」。心身ともに健康的な生活を送るために非常に役立つと話題です。今回は、あんしん漢方の薬剤師、山形ゆかりさんにムードフードのメリットや種類、簡単にできるレシピを教えてもらいました。
ムードフードとは
ムードフードとは、ひと言でいえば「気分を変えられる食べ物」のことで、雰囲気や気分を意味する「ムード(Mood)」と、食べ物の「フード(Food)」を合わせた造語です。2023年注目の食トレンドと言われ、ここ最近スーパーマーケットやコンビニでもムードフード商品を目にする機会も増えました。
たとえば、睡眠の質を高めるという乳酸菌飲料が話題になりましたが、それもムードフードのひとつです。
ムードフードを摂取するメリット
ムードフードのメリットには、気分を高め心身を整えたり、精神を安定させたり、ストレスの緩和が期待できるなどがあげられます。特別な食べものを用意しなくても、身近な食べ物で簡単に取り入れられることも魅力のひとつです。
<得たい効果別>ムードフードの種類
以下にムードフードの主な種類を効果別にご紹介します。
・腸内環境の改善
腸内環境の改善には「発酵食品」がおすすめです。
ヨーグルトや納豆、キムチなどに多く含まれる乳酸菌には、腸内環境を整え免疫機能を高める効果が期待できます。また、乳酸菌のYRC3780株には抗ストレス作用があるため、ストレスの緩和にも役立つといわれています。(※1)
・ストレス抵抗力の向上
ストレス抵抗力の向上には「さつまいも」と「きのこ類」がおすすめです。
さつまいもやきのこ類に含まれるビタミンCには、抗ストレスホルモンを合成する作用があるため、ビタミンCをしっかりと摂取することでストレス抵抗力の向上が期待できます。(※2)また、さつまいもに含まれるビタミンCは、加熱しても壊れにくく調理がしやすいというメリットも。
・精神の安定
精神のコントロールには「発芽玄米」がおすすめです。
発芽玄米に含まれるGABAには神経を抑制する作用があるため、リラックス効果が期待できます。なお、GABAを合成するにはビタミンB6も欠かせないため、ビタミンB6を多く含むカツオやマグロのお刺身を主菜にして一緒に食べると◎。(※3)
・睡眠の質向上
睡眠の質の向上には「バナナ」と「緑茶」がおすすめです。
バナナに含まれるトリプトファンは、睡眠ホルモンのメラトニンを合成する際に必要なセロトニンの材料となります。また、バナナにはトリプトファンからセロトニンを合成するのに必要な栄養素も一緒に含まれているのもうれしいポイントです。(※4)
また、抹茶や玉露などに多く含まれるテアニンには、脳の興奮を抑制して神経を沈静化する作用があるため、睡眠の質の向上が期待できます。(※5)
ムードフードの上手な取り入れ方
ムードフードのレシピを2つご紹介します。
栄養たっぷり! オーブンで作るやきいも
<材料>1人分
さつまいも … 中サイズ1本
アルミホイル
竹串
作り方
1. オーブンを160℃に余熱する
2. 洗ったさつまいもをアルミホイルで包む
3. 160℃で80分焼く
4. 竹串がすっと通ったら完成(通らない場合は再び加熱する)
超簡単! バナナヨーグルトスムージー
<材料>1人分
バナナ(皮を剥く) … 1本
ヨーグルト … 60g
牛乳 … 60㏄
はちみつ … 大さじ1
バナナチップス … お好みで