日本全国のおいしいお取り寄せパンの中から、いまおすすめのパンをご紹介するこの連載。第36回目は東京吉祥寺の「Dans Dix ans(ダンディゾン)」のパンセットをお取り寄せしました。
20年間、吉祥寺で選ばれ続けているパン屋さん
吉祥寺の一角を地下へ降りていくと、まるでギャラリーような、洗練された空間があらわれます。大きな木のドアは樹齢300年にもなる塩地という樹だそうです。
中に入るとパンたちが作品のように陳列されています。厨房は透明のガラスで区切られており、中の様子が伺えるのですが、皆さん白い制服を着て黙々と働く姿はまさに職人。真摯にパン作りをされているのがとても印象的で、それはパンの味にしっかりとあらわれています。
そんなダンディゾンのパンが一度にいろいろ楽しめるのが、今回ご紹介する「Dセット」です。セットの中身は、人気の食パンBL30、ブルーベリースコーン×2、ミューズリー、あずき×2、クルスティヨン×2、フェタカシュー。これらのセットが冷凍便で届きます。
早速1つずつご紹介していきましょう。
長く愛される大人気のパン「BL30」
小さめの1本の食パン「BL30」。ネーミングが面白いですね。フランス語でバターを意味するBeurre(ブール)のB、牛乳を意味するLait(レ)のL、バターの分量をあわせてBL30だそうです。よつ葉バターが30%使われており、ほんのり牛乳の甘味があるリッチな食パンです。
トーストするとサクサクと軽く、バターと牛乳の甘さはシンプルでやさしい味です。バター・牛乳不使用のパンも好きな私ですが、こちらは決してくどくない完璧な配合割合です!いつまでも愛されているのが、おおいに納得の逸品です。
果実が贅沢なブルーベリースコーンとミューズリー
ブルーベリースコーンは冷やしてお召し上がりくださいと書いてあったので、そのようにいただきました。シロップ漬けのブルーベリーがこれでもかと入っており、全体的にはちょうど良い甘さでとてもおいしいです。
ザクザクした食感と、フランス産フロマージュブランのしっとりさが相まってジューシーなブルーベリーが一層引き立ちます。
ミューズリーの方は、サンマスカットレーズン、いちじく、カシューナッツ、クランベリー、いよかんピール、くるみなどがぎっしり詰まっています。まわりにまとったオートミールも楽しい食感です。
断面からも分かるように、こちらも贅沢にフルーツが使われていて、見ているだけで幸せな気持ちになります。
トーストしていただいたのですが、たくさん入っているフルーツの味が温めることで強く引き立ち、くるみやナッツの食感はほくほくとします。酸味もちょうど良い具合で感じられ、大変気に入りました!
シンプルだからこそわかる素材のおいしさ
こちらは「あずき」です。
あずきはトーストしていただきました。けしの実の風味がしっかりときいており、五穀焙煎の香りと練り込まれたはちみつが特徴的。あずきはほくほくとやさしい甘さでした。どこをとっても素材の良さが伺え、身体に染み入るようです。
おすすめ通り、冷たいバターも入れてみましたが、あんバタとはこんなにおいしかったのだな、と感動すらしてしまいました。あんバタはあまり得意ではなかったのですが、素朴なあずきの甘さにバターの塩味がぴったりで、ダンディゾンのあずきを食べる時だけは積極的にあんバタにしてみようと思ったほどです。
そしてコロッとしたフォルムが可愛い「クルスティヨン」。バターと牛乳で仕込んだ生地に小さなきび砂糖の角砂糖入り。焼いた時に砂糖が溶けてハチミツのようになった部分と、シャリっとした歯触りも残っていて甘さはしっかりありながらパクパク進んでしまいます。冷凍状態から常温に10分ほど置いた冷たいままがおすすめです。
しっかり甘さがあるのですが、お子様から大人の方まで楽しんでいただけます。かなりお気に入りのパンになりました!
甘いパンが続きましたが、最後にフェタカシュー。
こちらはフェタチーズとカシューナッツ、黒こしょうのパンです。
長細い形をしていて、一口食べるとまずこしょうがピリリときいてきます。その後、噛み応えのあるもちっとしたパン生地とナッツのほくほく感が楽しめます。ところどころにあるチーズがちょっとした味変になって、気づけばどんどんと食べ進めている……というようなおつまみパンです。こちらもとてもおいしいです。