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第一子を授かり月の貯金がゼロになりそう[貯められない家計の問題点診断]

我が家の家計の問題点をプロに診てもらいたい。今回は第一子を授かったばかりの会社員の方の相談を元に、ファイナンシャル・プランナーの二宮清子さんが家計を診断します。

Q.妻の妊娠で収入減。今後の家計は厳しいですか?

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子どもが生まれる我が家の家計は大丈夫?
◆相談内容
「共働き夫婦2人でこの度第一子を授かることができました。ただこれまで妻の収入を全額貯蓄に回しており、今後貯蓄ができなくなりそうです。これからの家計の問題点を教えてください。妻はフリーで仕事をしていたため、出産からしばらくは仕事をゼロに、頃合いを見て月数万円働けるようになりたいと言っております。住宅購入は今のところ考えておりません」

◆相談者/Tさん(会社員・37歳・既婚)
家族構成/妻(フリーランス・33歳・妊娠中)
住まい/東京都・賃貸

◆現在の家計収支状況
月の手取り世帯収入:57万円
夫:35万円
妻:22万円
年間賞与収入なし

月の支出合計:35万円
支出住居費(家賃):110,000
車両費:なし
食費(外食費・日用品込):50,000
電気・ガス・水道料金:15,000
通信費:15,000
趣味・教養・娯楽費(美容代込):20,000
教育費:なし
家族のこづかい:70,000
雑費(医療費込):50,000
保険料:10,000
ローン返済:奨学金10000
その他毎月の貯蓄:220,000(帰省があれば減る)

資産現預金600万円

たしかに苦しくなるタイミング。ただし家計管理はしっかりしています

現在の家計の収支を見ますと、夫婦共働きで奥様の収入を全て貯蓄に回されているとのことで、しっかり貯蓄体質になっている状況です。お子様を授かり、出産・育児の為、しばらくの間、奥様の収入が無くなるということで、今後の見通しが知りたいとのことですね。

現在、ご主人様の収入で生活をし、奥様の収入は全額貯蓄ということですが、このままの支出状況で奥様の収入が無くなれば、出産後の支出増を考えると貯蓄を取り崩す生活になるでしょう。だからこそ、奥様の収入が無い状況でもなるべく赤字を出さないよう、これまで以上に支出を管理する必要があります。

CHECK! 未就学児の養育費は年80万円前後
内閣府の発表している「インターネットによる子育て費用に関する調査(平成22年)」によると、未就学児の養育費は年間約100万円前後と結果が出ています。ただし子どものための貯蓄が含まれていますので、実際の支出は80万円前後ですね。月で考えると6万7000円になりますから、まずは節約額がこの費用に近づくように、家計支出を引き締めることが目標になります。

3万円の節約アップを目安に貯蓄の減りを抑えてみる

まず、支出面に関しては、食費と通信費に関しては1割程度の節約を心掛けてみましょう。食費は料理の腕を上げることで実現可能になりますので、仕事をお休みしている間に節約&時短レシピを数多く覚えましょう。
◆節約後の家計支出例
現在
見直し後

支出合計
350000
317000

住居費(家賃)
110000
110000

車両費
0
0

食費(外食費・日用品込)
50000
45000

電気・ガス・水道料金
15000
15000

通信費
15000
12000

趣味・教養・娯楽費(美容代込)
20000
10000

教育費
0
0

家族のこづかい
70000
55000

雑費(医療費込)
50000
45000

保険料
10000
15000

奨学金
10000
10000
※単位は円

通信費はお二人で15,000円なので特別高いわけではありませんが、格安携帯に替える、プランや特約の内容を見直すことで1割以上の節約が期待できます。光熱費は出産後は増えがちになるので現状維持を心掛けてください。また、保険料も夫の保障を手厚くするなど、増えることが想定されます。

反対に、赤ちゃんがいれば趣味・教養・娯楽費、小遣いに関して大きく減らせる可能性があります。

あくまでも例ですが上記の支出で3万3000円の節約になります。6万7000円のうち3万3000円ねん出できましたので、残りは月3万4000円、年間40万ほど不足する計算になります。

毎年、40万円貯蓄を取り崩せば、お子様が小学生になるまでの6年間で240万円の貯蓄が目減りします。二人目を授かったり、家電も買替えたり、車の購入、家族旅行などがあればもっと貯蓄が目減りしますので、できるだけ早く妻が働けるように夫婦で協力することが必要になります。

それでも養育費80万円をそのまま貯蓄から補填すると、6年で500万円近く貯蓄が目減りしますので、月3万円節約できればだいぶ変わるとご理解できるのではないでしょうか。

夫婦で協力すれば貯蓄をまた増やしていけます!

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夫婦で協力して家計の苦しい時期を乗り越えていきましょう
2019年10月から幼児教育無償化が始まれば、3歳児から5歳児までは幼稚園の場合、年間約30万円の支出が抑えられます。あとは家庭によってどこまで支出を抑えられるかによります。

幼児教育無償化

奥様の働き方で幼稚園か保育園か変わってくるでしょうが、フリーランスということで、少しずつ仕事の量を増やし、小学生になる頃にはしっかり社会復帰できるよう計画的に進めていきたいですね。そうすることで、目減りした貯蓄をまた増やすことが可能になります。数年は、余裕のない生活になりますが、可愛いお子様と一緒の生活は更なる人生の豊かさを与えてくれます。

子育てと仕事と家事をどのようにバランスを取っていくのか、夫婦でしっかり話し合い夫婦一緒に歩んでいただければと思います。

解説・二宮清子

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家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャル・プランナー。赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している

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