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収入が半減しても幸せな理由。小さな暮らしで起きた3つの大きな変化

「小さな暮らし」と聞くと、切り詰めた質素な生活を想像する方が多いかもしれません。ですが、金融関係の資格をもつ整理収納アドバイザーの松尾千尋さんは、小さな暮らしを意識することで身軽かつ充実した毎日を過ごしています。かつてたくさんのもの・ことを詰め込んでいた頃と比べ、どんな変化があったのかを伺いました。

片づけを進めるうちに、自分の心とも向き合えた

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1LDKの賃貸物件をホワイトを基調としたシンプルなインテリアに整え、旦那様と二人暮らしをする松尾千尋さん。グリーンが映えるすっきりとした空間を見ると意外ですが、以前は
たくさんのものを持っていて、片づけも苦手だったそう。「もっといろいろがんばりたいのにできない」という罪悪感やもどかしさを抱えていたと言います。

それでも少しずつものを減らしたことで心境に変化が起き、7年務めた金融機関を退職してフリーランスに。1級ファイナンシャル・プランナー技能士で証券アナリストにも合格している知識を活かしつつ、現在は整理収納アドバイザーとして暮らしや片づけに関する情報を発信しています。

二人暮らしをきっかけに片づけをスタート

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松尾さんがものを手放し始めたきっかけは、結婚前に今の旦那様が暮らしていた部屋で二人暮らしを始めたこと。27平米の部屋(写真)に自分の荷物も置くとさすがに狭く、使っていないスーツケースやコーヒーテーブルのような小型家具、服もフリマアプリや地域交流サイトで人に譲りました。

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そこでものと向き合ううちに「気に入っていないのにとってあるものが多い」「外に出るときに身につけるものは背伸びしている」といったことに気づきました。また、その頃に読んだ本『minimalism』(フィルムアート社)を通してミニマリストの考え方を知り、本格的にものを減らそうと決意。2年で片づける計画を立てて実践します。

まずは服・バッグなどと食器を手放し、次に化粧品や美容家電、キッチン小物、そしてインナーや文房具など細かいものに着手。一気にすべてを減らせたわけではなく、何度もそのサイクルを繰り返しました。当初に比べ8割ほどものを減らした現在も、見直しを続けているそうです。

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片づけを進めるうちに気持ちの整理もできた松尾さん。会社を辞めて収入は以前の半分以下になり、旅行や娯楽にお金をかけず、もの・ことを削ぎ落した「小さな暮らし」をするようになりました。そこに無理や我慢はなく、むしろ得られたものがあると言います。

もの・ことを手放すうちに訪れた3つの変化

1.自分の理想に向かって進めるようになった

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ものを多く持ちすぎていると感じたとき、やるべき「こと」も同じだと気づきました。「こうせねば」という思い込みで、やることを自分のキャパシティー以上に詰め込んでいたのです。
それからは「自分はどう生きたいのか?」を常に自問自答するようになり、答えに沿わない仕事のやり方や習い事、人間関係などは手放していきました。そして「1日でここまでできればOK」という無理のない目標を明確にしたことで、ストレスを軽減して本当の理想に向かって歩けるようになったのです。

2.「~しなければ」という思い込みをなくせた

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松尾さんの「こうせねば」の思いのひとつが「稼がねば」でした。その背景にあったのは「いい会社に入って稼いでほしい」という考えのご家族のもとで育ったこと。また、メディアやSNSに溢れる高級ブランドやレストランなどの情報もあり、お金が必要という考えが根付いてしまっていました。
しかし片づけを進めるうちに、それは周りからの影響で持っていた思いだと気づきます。それまで選んできた服やバッグも、モテたい、友達から褒められたいという他人基準。そうではなく「自分が好きなのものは?」と向き合ってみると、自分がありたい姿に高級なお店に通う姿はなく「そんなに稼がなくてもいい」と思えるようになったのです。

3.幅広い選択肢をもつ余裕ができた

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「多くのお金は必要ない」と気づけたことは「年収にそれほどこだわらずに仕事を選べる、また休むこともできる」という考えにもつながりました。以前は積み上げてきたキャリアを中断すると、転職で不利になることや生涯年収が下がるのも怖かったけれど、それよりも心地よく働けることが大事だと思えたのです。
今は少しライターの仕事をしながら、執筆・編集の勉強もしている松尾さん。今後はフリーライターを続けるか、企業の編集・ライティング職に応募するかもしれない。そんな幅広い選択肢を持てるようになりました。

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選択肢の広さは住まいについても同様です。以前は住まいにかけられるお金が少なかったことと、友達が近くにいない場所では暮らせないという不安もありました。
お金の無駄遣いがなくなり、気持ちも整理した今は「友達と会う回数が減っても友情は変わらないし、万が一変わったとしても受け入れられる」と考えています。また、仕事も「行った先々でできることをやればいい」という柔軟性を持つことができ、住む場所も自由に選べる余裕ができています。

自分の心に沿った、軽やかで穏やかな暮らし

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もの・ことを手放した小さな暮らしは我慢することのように感じがち。ですが、そうではなく「本当の自分はどうしたいのか?」を明確にし、それに向かって歩けるということなのかもしれません。松尾さんも「自由で軽やかかつ穏やか、幸せ」と語っています。

忙しくて部屋が片づかない、いつも焦っているなどと感じている方は、自分のものや予定について「これは自分が持ちたいもの?やるべきこと?」と問いかけてみてはいかがでしょう。なにか少し手放せれば、自分にとって心地よい小さな暮らしに近づく一歩になるはずです。

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