東急東横線代官山駅から徒歩1分。気軽に立ち寄れる場所に「サーキュラー」「サステナブル」について考え、もっと身近に感じることができる「TENOHA 代官山」がニューオープン。ここは、地域と消費者をつなぎ、循環型社会“サーキュラーエコノミー”を体感できるスポットです。現地で体感してきた「TENOHA 代官山」の魅力をいち早くレビューします。
代官山駅前の新スポットに行ってみよう
2023年10月19日、代官山駅前の好立地に「MAIN棟」と「TENOHA棟」の2棟からなる複合施設「フォレストゲート代官山」がオープンしました。
MAIN棟では賃貸住宅、シェアオフィス、商業フロアで構成された「働く・暮らす・遊ぶ」の異なるライフスタイルを提案。
「TENOHA 代官山」と名づけられたTENOHA棟ではカフェや屋上農園、イベントスペースで構成され、サーキュラーやサステナブルな生活を体験できる施設です。
今回は「TENOHA 代官山」の現地で感じた魅力をたっぷりお伝えしたいと思います。
循環型のオールデイカフェ
プラントベースの料理・ドリンクを提供する「CIRTY CAFE」
「TENOHA 代官山」に来たら立ち寄りたいのがサーキュラーカフェ「CIRTY CAFE」。「サーキュラー/ローカル/フレッシュ」をコンセプトに、「地産地消・店産店消・循環」といった“サーキュラー”を、食を通じて体感できるカフェです。ここではプラントベースのサラダやスープ、ドリンクなどの提供を行います。
提供メニューに使われる野菜や果物は、食品廃棄物をメタン発酵で堆肥化し、その土を利用して近隣の提携農家などが育てたもので、循環の輪を体現。そのほか、規格外野菜も積極的に使用し、種類や見た目にとらわれないメニューが出されます。
店内の植物工場(写真)で育った野菜やTENOHA棟の屋上菜園で育ったハーブなどはメニューに使用されます。
新鮮な野菜を使って作られ、その時々によって変わる、サーキュラーサラダ(各972円)やサーキュラースープ(各864円)。
屋上菜園で育ったハーブを使ったフレッシュなドリンク。
ローカルフードを使ったサステナブルフード&スイーツを提供している「GOOD GREEN THINGS」が100%プラントベースジェラートを販売。
自然の中にいるような建築空間
緑いっぱいの空間で開放感溢れる「TENOHA 代官山」のカフェスペース。こちらは再利用可能な建築になっていて、移築をする際、解体時に分解ができる設計になっているそうです。夏季限定の海の家をイメージするとわかりやすいかと思います。
解体後も再利用できるため、焼却の際に出るCO2を出さず、繰り返し使えるよう未来をも描いてデザインされているなんて驚きました。
確かに柱を見るとどことなく組み立て式の家具を思わせます。建築物に興味のある方は細部まで見てみてください。
そしてこの木材全てが岡山県西粟倉の森の劣勢木間伐材を使用して建てられたもの。劣勢間伐材を使用することは森を豊かにします。過密になった木々が減り、陽の光が入ったり、空気が通り樹木が健全に成長します。さらに、あるものでデザインをすることで無駄な資源を減らせます。
デザイナーの方(建築家ユニット SUEP.(スープ))のお話しを聞いて、特に印象に残ったエピソードが、TENOHA 代官山のデザイン設計をするにあたり、木材が杉かヒノキかわからないまま始まったということ。
通常はデザインが決まった後に素材を発注するという流れですが、今回のように「入手できたもので作る」という取り組みは、今までのものづくりのルールを取っ払い、想像力を掻き立たせてくれる面白さを感じました。
天井や至る所に六角形の構造が目立ちます。この六角形のフォルムは自然を思わせる形なんだとか。例えばハチの巣や化学記号など…他にもありそうです。
施設内にあるゴミ箱には「燃やさなければいけないゴミ」と書いてありました。単なる燃えるゴミとして捨てるのではなく、捨てる時に一度立ち止まって考えさせられるメッセージですね。
2階も緑に囲まれた空間が広がります。代官山駅を望めるテラス席もあり、緑も多いためか清々しく、心地いい空間が広がっていました。
「TENOHA 代官山」の屋上庭園。こちらは一般の方は立ち入ることが出来ませんが、雨水を再利用し、水の循環をする仕組みも整っているそうです。